自動研磨機

自動研磨機とは自動研磨機

 自動研磨機とは、ラップ、ポリッシュといった精度が高い平面加工を、自動的に行う装置のことです。

自動研磨機の基本は砥石や砥粒を含んだ研磨液が含まれたバフ盤を高速で回転させ、削りたい部品を回転させながら押し当てて研磨します。 研磨と同じく、高速で回転させている部品に刃を押し当てて削る「旋盤」がありますが、研磨機は砥石を回転させているため、刃物で削る方式の旋盤よりも少しづつ削ることができます。

近年では工業製品のNC化がされており、研磨機もコンピューター制御による「NC研磨盤」で自動的に研磨をすることが可能になりました。

自動研磨機の使用用途

自動研磨機は、用途によって大きく2つに分けられます。

1. 工業製品の加工

機械の部品において、例えば相手部品との滑らかな摺動が求められる平面が必要な場合に、自動研磨機による加工が行われます。

2. 金属試料の作製

金属部品の検査の1つに、金属組織観察があります。金属組織は、例えば鉄鋼材料の熱処理の品質確認として、日常的に広く行われています。

金属組織は金属顕微鏡という専用の顕微鏡を使って観察しますが、試料は鏡面研磨されていなければなりません。高周波熱処理や浸炭焼き入れなどを行った鉄鋼材料は非常に硬く、手作業による研磨は多くの時間と手間、技術を要します。

自動研磨機を使えば比較的短時間で、金属組織観察用の試料を作製することが可能です。また、ビッカース硬さ試験を行う際にも、試料の研磨仕上げが必要なため自動研磨機が用いられます。

自動研磨機の原理

自動研磨機は加圧、相対運動、潤滑剤の塗布を自動的に行うものです。研磨は砥石などの研磨する部材に対して、研磨加工する部品に圧力と相対運動を与えて少しずつ削り落としていきます。また、研磨の際には潤滑剤が塗布されることによって、研磨が促進されます。

金属試料作製用の自動研磨機の場合、研磨する研磨盤は円盤状です。設定された回転数で回転し、試料ホルダーは円形で、同時に複数個の試料が取り付け可能です。試料フォルダーは研磨盤の回転中心からズレた位置に回転中心をもち、上から研磨盤に試料を押し付けながら回転します。

加圧力や回転数は、試料に合わせて設定可能です。さらに装置によっては、潤滑液を自動的に噴射できるものもあります。

自動研磨機の特徴

自動研磨機の最大の特徴は、経験と技術を要する研磨作業を多くの人が行えるようになることです。研磨は粗い砥石から細かい砥石に変えながら、砥石の傷を順次小さくしながら鏡面になるまで仕上げるため、経験と技術の習得が欠かせません。

自動研磨機を使って適切な研磨条件を見つけられれば、同じ製品に対しては、効率的に研磨作業を行うことができます。金属組織観察用の試料作成では、複数の試料を同時に作製できるのも、自動研磨機を使うメリットの1つです。

自動研磨機のその他情報

自動研磨機の応用

研磨作業は人の手で行うと、非常に労力がい作業なので、現在はほとんどの製品では自動化がされています。 研磨作業には砥石側の粒子の大きさや削るスピード、力の大きさなど繊細な工程が必要です。 従来の研磨盤でもかなり正確な部品を作ることができましたが、その汎用の研磨盤にNC装置を取り付けて、プログラミングが自動的に行う方式が最近の主流です。

中国などで多く存在する、部品の大量性を行う工場などでは、「ロボットを使用した自動研磨機」が活用され始めています。ロボットを使うことで研磨盤よりもラインでの活用範囲が広がり、人員削減にもつながるので注目されています。

しかし、研磨作業は前記した通り、かなり繊細な部分かつ製品の完成度に影響してくる工程なので、現状のロボットの制度では品質が落ちて使えていない場面も少なくありません。 そのため、現在多くのロボットメーカーや産業機械メーカーなどが、研磨工程のロボット化のために技術開発を進めている段階です。

参考文献
https://robot-mujinka.com/tech/column07/
https://www.kousakukikai.tech/grinder/#NC
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62798870Z10C20A8FFE000/

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