小型サーボモーター

小型サーボモータとは

小型サーボモーター

小型サーボモータとは、精度の高い位置ぎめや速度制御ができるモータです。

モータの内部には、回転数やトルクの制御装置が内蔵されているので、指令値にフィードバックしながら制御することによって、高精度の制御を実現しています。サーボモータの「サーボ」とはギリシャ語のServus (奴隷) が語源で、命令に対して正確に動くという意味が含まれます。

従来は直流電流で駆動するDCサーボモータが主流でしたが、現在は耐久性やメンテナンス性に優れいて、交流電流で駆動するACサーボモータが主流です。なお、本記事では「小型」と称していますが、小型に対する明確な区分けは定義されていません。

各モーターメーカーのラインナップに応じて、大型、小型、精密といった区分けがされています。

小型サーボモータの使用用途

小型サーボモータは、精密な動作が要求される生産ラインや計測装置、医療機器などで使用されます。具体的な例としては、工作機械や産業用ロボット、精密機器や電子部品、液晶ディスプレイ、半導体の製造装置、検査装置、バイオ機器などです。

自動車製造工場で活躍する産業用ロボットであれば、部品にピッキング、溶接、塗装などの作業を、繰り返して正確に行うことができますが、サーボモータによる正確な制御によって実現しています。私たちの日常生活においてはさまざまなOA機器、自動車などにもサーボモータは使用されています。

小型サーボモータの原理

サーボモータは複数の機器と組みわわせることによって、正確な動作が可能になります。サーボモータのシステムは、司令塔となるコントローラ、制御部となるドライバまたはサーボアンプ、そして駆動部となるモータで構成されます。さらに、モータの実際の駆動状況を把握するための検出器になるのがエンコーダ です。

サーボモータが動作する際には、コントローラからドライバに、位置や回転数、トルク、速度などの動作条件が伝達されます。ドライバが伝達された条件と、エンコーダから伝達されたモータの回転状態などから、回転に最適な電力をモータにながし、モータがコントローラから伝えられた目標の回転条件になるように、エンコーダからのフィードバックをもとに制御されます。

また、サーボコントローラがドライバに指令をする際の制御は速度制御システム、または位置制御システムのいずれかの方式が用いられるのが一般的です。

小型サーボモータのその他情報

ACサーボモータとDCサーボモータとの違い

サーボモータに限らずモータには、直流モータ、交流モータ、パルスモータがあります。このうちサーボモータとしては直流モータであるDCサーボモータと、交流モータであるACサーボモータがあります。現在、もっとも広く使われているのは、ACサーボモータです。

ACサーボモータは、ロータと呼ばれる回転軸に永久磁石が使われており、回転軸の周りにステータとして、鉄心とコイルで囲まれている構造になっています。交流電流の周波数のタイミングに合わせて、ステータのコイルに電流をながして磁場を発生させ、回転軸の永久磁石との間に引力や反発力を生じさせることによって回転軸を回転させます。

回転軸はコイルなどには非接触で動作するため、摩擦摺動する部分はベアリングのみです。ステータ側に電流が流れるので、発熱するのはモータの外側にあるステータになります。DCモータは回転子に電流がながれるので、発熱するのもロータです。放熱性の面から見ると、モータの外側になるステータが発熱するACモータのほうが放熱しやすいモータになります。 

反対にDCサーボモータは、比較的小型であっても大きなトルクが得られます。制御性がよく低コストなのも特徴の1つです。しかし、DCモータはブラシと整流子が直接接触して電気を流すため、ブラシの摩耗が発生します。摩耗に対してのメンテナンスが必要で、また環境によってはブラシ摩耗粉によって火花が発生する可能性があるのもデメリットです。

参考文献
https://www.fujielectric.co.jp/products/column/servo/servo_01.html
https://www.yaskawa.co.jp/newsrelease/product/35763
https://www.on-side.co.jp/pdf/yokuwakaru_ac_servo_motor.pdf

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