ウレタンとは
ウレタン (正式名称:ポリウレタン) とは、2種類の主原料を攪拌、反応させることで得られる、ウレタン結合を含むポリマーのことです。
主原料の配合や成形方法によって様々な用途で幅広く使用され、泡状にしたフォーム品 (以下、ウレタンフォームと称する。) とそうでない非フォーム品に大別されています。ウレタンフォームは軟質のものと硬質のものに分けられており、用途によって使い分けられます。非フォーム品には、ゴムのように柔らかく柔軟性のあるものから、タイヤなどに使用される弾力性と硬さを兼ね備えた強靭なものまであります。
ウレタンの使用用途
ウレタンの中でも軟質ウレタンフォームは、日常品のクッションやソファーといった家具や寝具、衣料品や日用雑貨などに使用されており、目にする機会が多い製品です。
硬質ウレタンフォームも、断熱性が優れていること、軽さや成形のしやすさから、断熱材や吸音材として建築材料などの幅広い工業製品に使われています。軟質および硬質共に、成型が自在な特徴もあり、デザイン性の高い部品の作製も可能です。
一方で非フォーム品は、タイヤやチューブ、ローラーなどの原料として使用されています。また、高耐候性や防水性を生かした塗料や防水材、繊維や合成皮革など多様な分野で使用されています。
ウレタンの原理
原料のポリイソシアネートとポリオールがウレタン結合によって高分子となり、目的によってその種類と添加剤を選択し生成します。
ポリイソシアネートは1つの分子の中にイソシアネート基を2つ以上持っている化合物です。代表的なものとしては、トリレンジイソシアネート (TDI) やジフェニルメタンジイソシアネート (MDI) があります。
このポリイソシアネートが、1つの分子の中に2つ以上の水酸基を持つポリオールと反応してウレタン結合が形成されます。このとき、必要に応じて架橋剤を添加するとビュレット結合やアロファネート結合の生成が可能です。その架橋密度によって弾性が変化し、密度が高いほど硬くなります。
ウレタンの種類
ウレタンには、ウレタンフォームと非フォーム品の形態があります。
1. ウレタンフォーム
ウレタンフォームには、軟質ウレタンフォーム、硬質ウレタンフォームのほか、両方の中間の特性を有する半硬質ウレタンフォームがあります。いずれも、原料のポリイソシアネートとポリオールに、触媒や発泡剤、整泡剤および難燃剤などを添加して製造されます。
軟質ウレタンフォーム
軟質ウレタンフォームの泡は、攪拌混合やイソシアネートとポリオールの反応の際に生じる炭酸ガスによるもので、泡は連続して連なった形状です。泡が連続して連なった形状であることから、柔らかく、クッション性と復元性に優れているので、先程述べたようにクッションやソファーなどに使用されています。
硬質ウレタンフォーム
硬質ポリウレタンフォームにおいては、攪拌混合のほか、イソシアネートとポリオールの反応熱熱により発泡剤が気化して作られ、硬質ウレタンフォームでは各泡が独立した小さな泡となっています。硬質ウレタンフォームの独立した各泡には、発泡剤由来のガスが充填されることとなり、高い断熱効果を得ることが可能です。
このため、先程述べた様に、断熱材や吸音材といった建築材料として使用されています。硬化反応が早く進むことから、作業現場で原料を混ぜ合わせてスプレーしてフォーム状に生成することも多くあります。
半硬質ウレタンフォーム
軟質ウレタンフォームと硬質ウレタンフォームの中間程度の硬さを持っている材料です。高反発及び高弾性が特徴で、マットレスなどで使われています。
2. 非フォーム品
非フォーム品には、熱硬化性のものと熱可塑性のものがあります。熱硬化性のものは、車やバイクのタイヤに使われ、熱可塑性のものは車のバンパーや合成皮革などの成形物の材料として使用されます。このほかにも、塗料や弾性繊維、接着剤、防水材などとして使用されます。
参考文献
https://www.fujigomu.co.jp/whats_urethane/
http://www.urethane-jp.org/shiritai/shiritai_02.html
http://www.urethane-jp.org/manual/doc/anzentebiki_2015520.pdf
https://www.nichias.co.jp/research/technique/pdf/364/03.pdf
https://www.fujigomu.co.jp/whats_urethane/
https://www.sankyo-chem.com/wpsankyo/1723