高電圧オペアンプ

高電圧オペアンプとは

高電圧オペアンプ(英語: High voltage operational amplifier)とは、数十~数百 Vの入出力電圧で動作させることができるオペアンプのことです。標準的なオペアンプではカバーできない電圧範囲を扱う場合に使用します。

使用する際には、高電圧に伴う規制や安全性を考慮し、保護回路なども含めて適切に設計する必要があります。場合によっては大電流による発熱が生じるため、放熱設計や熱保護も重要になります。

高電圧オペアンプの使用用途

高い電圧を扱うアプリケーションにおいて、標準的なオペアンプの動作電圧範囲ではカバーできない場合に高電圧オペアンプの使用が選択肢として挙げられます。

例えば、インクジェットプリンタや超音波トランスデューサなどに用いられるピエゾ変換器、他のICやモジュールのテストを行う自動試験装置、光による検出や測距のシステムに用いられる高輝度レーザーダイオードなど、これらの用途では高い電圧において正確な制御が必要になるため、高電圧オペアンプが用いられます。

高電圧オペアンプの原理

高電圧オペアンプの動作は標準的なオペアンプと基本的に同じであり、反転入力と非反転入力の電位差を非常に高い利得で増幅します。入力インピーダンスが高い、出力インピーダンスが低い、2つの入力端子間のイマジナリーショートなど標準的なオペアンプと同じように使うことができます。

高い電圧範囲に対応させるために、標準的なオペアンプに外付け部品を組み合わせて出力電圧をブーストする方法もあります。しかし、回路が複雑でコストが高くなること、部品が多く基板レイアウトの制約があること、部品の特性ばらつきや基板レイアウトに影響されて出力に歪みが生じ直線性が悪化することなどが問題点として挙げられます。

高電圧オペアンプを用いることでこれらの問題が解決されます。他にも、ESD保護回路、スルーレートを速くするブースト回路、容量性や誘導性の負荷に対しても安定して駆動させる回路、過熱保護や過電流保護回路などが一つのICとしてパッケージされているものもあるため、そのようなものを用いると設計が容易になります。

参考文献
https://www.analog.com/media/jp/technical-documentation/data-sheets/ADHV4702-1_jp.pdf

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