ドライベアリング

ドライベアリングとは

ドライベアリングは、回転体を保持しながらも回転への抵抗を極力減らすための軸受の一種で、軸受本体に潤滑油を含浸もしくは個体潤滑剤を埋め込む、もしくは自己潤滑性のある材料を使うことで、無給油で使用できるすべり軸受です。

一般的にベアリングというと、内輪と外輪の間にボールが入っており、ボールが転がる構造になっています。このようなベアリングでは回転への抵抗を減らすため、またボールと内輪および外輪とのこすれによる摩耗をふせぐためにオイルやグリースなど潤滑油が塗布されています。

ドライベアリングの使用用途

パワーステアリングなど自動車1台で約30種、100点を超えるドライベアリングが使用されています。

高所でメンテナンスが難しい風力発電設備や海水による腐食リスクが高い海上油田設備など厳しい環境下で使用することができます。

オイルやグリースが入っていないため、真空中やアウトガスを嫌う場所、水中などでの回転体保持に使われています。

高速回転や高い回転精度が求められる箇所には適用が難しく、低速で回転精度が不要な場所で使われることが多いです。

ドライベアリングの原理

無給油の軸受けのため、真空や水中、高温下、メンテナンスができない場所で使用することができます。

安価でラインナップも多く、大きさもかなり小さいものからあります。素材は金属だけでなくプラスチック製もあり、耐薬品性が必要な箇所でも使用することができるフッ素系樹脂などもあります。

ドライベアリングの中でも耐振動性や耐熱性など特定要素に強い、用途にあわせて選定可能な多数のドライベアリングが発売されています。

金属製のドライベアリングでは、潤滑剤としてグラファイトや二硫化モリブデンが添加されており、樹脂製ではPOMなど自己潤滑性のある材料が使われています。

つば付きのブッシュタイプと円筒形のカラータイプが一般的で摺動性が良いPOM(ポリアセタール)製で汎用的なドライベアリングは数円で入手することができます。

ドライベアリングは無給油という視点からオイルレスベアリングとよばれることもあります。

参考文献
https://www.daidometal.com/jp/wp-content/uploads/sites/4/2019/02/dry-bearing-catalog-jpn-2019-2020.pdf
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/machine_design/md05/g0019.html

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