差圧スイッチ

差圧スイッチとは

差圧スイッチとは、流体の圧力差を検知してスイッチング動作を行う装置です。

一般的には流体の流れるパイプやチューブに取り付けられ、圧力差がある場合にスイッチをオンまたはオフにするために使用されます。通常は2つの入力ポートを持ち、それぞれに流体が接続されます。

一方のポートには高い圧力が入力され、もう一方のポートには低い圧力が入力されます。このポート間圧力差を検知する装置が差圧スイッチです。差圧スイッチは設定された圧力差があるときに、スイッチが動作するように調整されます。

圧力差が設定値を超えると、内部の機構が動作してスイッチの状態を変化させます。測定圧力差が小さい場合は、微差圧スイッチと呼ばれることもあります。 

差圧スイッチの使用用途

差圧スイッチは、さまざまな産業や分野で使用されます。

1. 流体の供給や排出の制御

差圧スイッチは、流体の供給や排出を制御するために使用されます。差圧を検知してポンプを運転・停止制御することが可能です。ポンプがエアーを噛み込んで吐出口・吸込口間で差圧が小さくなった際、ポンプを停止するなどの制御に組み込みます。

2. フィルターの詰まりや圧力降下の監視

フィルターに流体が通過する際に圧力差が発生します。差圧スイッチは設定された差圧を検知して警告を発したり、フィルターの交換を促したりします。また、これらの使い方はさまざまな産業分野で応用されています。プロセス系の工場やインフラシステム、自動車など使用分野は幅広いです。

差圧スイッチの原理

差圧スイッチには、ベローズ やダイヤフラムが使用されます。ベローズとは、蛇腹構造を持った伸縮管で、ダイヤフラムは力の変動に応じて変形する薄い柔軟な膜状の部品です。通常は金属や合成材料で作られています。

ダイヤフラムにはスプリングが付属し、ダイヤフラムを元の位置に戻す力を提供しています。レインジスプリングとも呼ばれており、スイッチングの設定圧力差もスプリングの応力で決定します。スプリングの設定によって、スイッチの作動点や設定値が決まる仕組みです。

差圧スイッチはオンとオフの状態を切り替えるために、内部の電気的な接点を備えています。ダイヤフラムの変形によって接点が開閉され、スイッチの状態を変化させます。

これらの部品は保護や絶縁の目的で、エンクロージャ内に収められます。エンクロージャは金属やプラスチックで作られている場合が一般的です。内部の構成部品を保護する役割を果たします。また、エンクロージャにはスイッチの取り付けや配線のための穴やコネクタが設けられています。

差圧スイッチの選び方

差圧スイッチを選ぶ際は、さまざまな要素が存在します。以下は差圧スイッチの選定要素一例です。

1. 接点数・接点種類

差圧スイッチは接点の数や接点種類を選ぶことが可能です。一般的な差圧スイッチは1接点の製品が多いですが、2接点のスイッチも販売されています。また、微弱電圧用途の場合は金接点のスイッチを選定することも可能です。

その他、接点動作に関しても選定する必要があります。差圧上昇によって動作する接点や、下降によって動作する接点が販売されています。

2. 圧力範囲

使用する用途に適した圧力範囲を選択する必要があります。必要な最小圧力と最大圧力を特定し、その範囲内で動作する差圧スイッチを選定します。一般的には数kPaの微差圧から数百kPaの高差圧まで幅広いラインナップが存在します。

3. 隔膜材質

ダイヤフラムやベローズの材質は、測定流体に合わせて選定します。フッ素ゴムやニトリルゴムなどから選びます。酸素配管などに使用する場合は、禁油処理を施した隔膜を選定する必要があります。

4. 接続口

スイッチの接続口は、使用するシステムや配管に合わせる必要があります。一般的な接続口にはネジ式やフランジ式などがあり、ねじ式の製品が多いです。ねじ式の場合、おねじ又はめねじから接続口に合った製品を選定します。

参考文献
https://yamaden-sensor.jp/case/?id=1454994165-589725&mode=0&ca=3
https://www.variohm.com/news-media/technical-blog-archive/what-is-a-differential-pressure-switch-
https://www.appeng.co.uk/products/pressure-and-vacuum/differential/
https://www.dwyer-inst.com/ApplicationGuides/?ID=13

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