外径測定器

外径測定器とは

外径測定器とは、主に円柱状もしくは円筒状の物品の外径を測定する装置です。

外径測定器には、光を用いて測定する非接触式のものと接触子が実際に物品に触れて測定する接触式があります。現在では、半導体レーザー (緑色のLED光線) を使用した非接触式の物が多く使用されています。

光源として半導体レーザーを使用していることで、装置の小型化が可能です。さらに、非接触で測定するため、被測定物に影響を与えることなく高精度で測定が可能です。

外径測定器の使用用途

外径測定器のうち、非接触式の外径測定器の主な使用用途は、材料の外観検査や異品判別です。鉄鋼・金属工業、繊維素材メーカーの製品開発や製造過程などが主な使用分野です。具体的には、大量生産の現場や検査室で、検査・判別対象となる材料の外径をリアルタイムかつ非接触高精度で連続測定しています。

外径測定器には、自動検査 (インライン検査:ライン生産方式に外観検査工程を組み込んだもの) をするものと、手動検査 (オフライン検査:ラインとは別工程で測定をおこなうこと) にも対応しているものもあります。 

外径測定器の原理

非接触式の外径測定器の基本的な構造は、所定の距離をもって配される投光部と受光部、受光部内で光が遮られた状態の光から画像を作成して外径を計測する計測部です。

投光部から、半導体レーザーを受光部に向けて照射します。レーザーの照射形状は、平行な帯状や円筒状などです。例えば、平行な帯状で照射されたレーザーの中を円柱状の被測定物が横切ると、被測定物によりレーザーが遮られて受光部はその部分が欠けた状態の光を受けます。

受光部には、イメージ (画像) センサーがあり、被測定物により遮られた光から画像を作成します。そして、画像の欠けた部分の位置や長さから外径を計測および算出する仕組みです。

透過型と呼ばれる上述の測定方法では、照明や対象物の表面状態に左右されないため、高精度測定を実現できます。

外径測定機のその他情報

1. イメージセンサー

非接触式の外径測定機では、イメージ (画像) センサーとして、CMOSと呼ばれるデバイスが使用されていることがあります。CMOSは、Complementary Metal Oxide Semiconductor (相補性金属酸化膜半導体) の略です。これはデジタルカメラなどに用いられる撮像用のデバイスです。

2. 測定バリエーション

非接触式の外径測定機には、外径測定のほかに以下のような測定ができるものがあります。

間隙測定
所定の間隔で配されている2つの部材の間隔を測定します。2つの部材がレーザー光の照射範囲に入るようにすれば、間隔の部分に光が透過します。この光を利用すれば間隔測定が可能です。

コネクタのピン径および間隔の測定
複数のコネクタピンが所定の間隔で配されている被測定物の、ピンの直径および間隔の測定も可能です。被測定物をレーザー光の照射範囲に配すれば、ピンの部分は光を遮り、間隔部分は光が透過します。よって、光が欠けている部分からピンの直径、光が透過した部分から間隔の測定が可能です。

テープやシートの厚みの測定
テープやシートを送るドラムと、所定の間隔をもって光を遮る指標部材を設置します。この2つをレーザー光の照射範囲に置くと、ドラムと光を遮る指標部材の間だけ光が透過した状態になります。このとき、ドラムの上にテープやシートを配すると、その部分も光が遮られます。そのため、ドラムと指標部材間の距離とテープと指標部材間の距離を比較すれば、テープやシートの厚さが分かる仕組みです。

3. 接触式の外径測定器

近年では、半導体レーザーを使用した非接触式の外径測定器が多く使用されていますが、その一方で、接触子を使用した外径測定器も使用されています。接触式の外径測定器は、一対の接触子で被測定物を挟み、その距離から被測定物の外径を測定する仕組みです。

測定には、温度や湿度に影響されないマスターケージ (基準ピンゲージ) を使用します。また、非接触物に接触する接触子の選定により精度が変わってしまうため、接触子の選定も重要になります。

参考文献
https://www.jp.tdk.com/tech-mag/knowledge/082

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