双方向直流電源

双方向直流電源とは

双方向直流電源とは、電力を直流で供給し、同時に電力を受け取ることができる電力装置です。

従来の直流電源は電力を単方向に供給するため、逆方向への電力の流れを制御することができませんでした。双方向直流電源では、電力の供給と回収の両方を行うことが可能です。また、電力の供給と回収を柔軟に行うことができます。

そのため、エネルギー効率向上や電力ネットワーク安定化などに役立つ技術として注目されています。電気自動車の電源としても採用されている状況です。

双方向直流電源の使用用途

双方向直流電源はさまざまな使用用途で活用されています。以下は代表的な使用用途です。

1. 再生可能エネルギー発電系統

双方向直流電源は、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー発電系統に組み込まれます。双方向直流電源を使用することで、再生可能エネルギーから得られる直流電力を効率的に回収し、電力ネットワークに供給することが可能です。

また、マイクログリッドに応用される場合もあります。マイクログリッドは小規模な電力系統です。再生可能エネルギー発電や蓄電池、電力変換装置などを組み合わせて独立した電力系統を形成します。

2. 自動車

電気自動車の充電インフラにも重要です。直流充電スタンドでは双方向直流電源を使用して、蓄電池から電力を供給して電気自動車の充電を行います。また、蓄電池からの逆流電力を制御して、電力ネットワークへの電力供給も可能です。

3. その他

双方向直流電源は、電気バスや路面電車などの車両インフラにも使用されます。双方向直流電源を使用することで、電力供給や逆流電力の回収が効率的に行うことが可能です。

また、建設機械などにも応用が可能です。フォークリフトやクレーンがその一例です。建設機械は動・停止を頻繁に繰り返すため、双方向直流電源によって効率的な運用が実現できます。

双方向直流電源の原理

双方向直流電源は、電力変換装置や制御システムなどが構成要素です。これらの装置やシステムによって、電力の変換、制御、保護などが行われます。

双方向直流電源ではインバーターやコンバーターを使用して、直流から交流への変換と逆変換を行います。これにより、電力の供給と回収を両方向に制御することが可能です。

また、電力供給と回収を制御するための制御システムも重要です。制御システムは電力の流れや電圧・電流の制御を行い、必要な電力の供給や回収を実現します。なお、系統側に電力を戻す様子から回生電源とも呼ばれます。

蓄電池を使用する場合、蓄電池管理システムも必要です。蓄電装置にはリチウムイオン電池鉛蓄電池が使用されます。蓄電池管理システムは蓄電池の充電状態や放電状態を監視し、適切なタイミングで電力の供給や回収を制御します。

双方向直流電源の選び方

双方向直流電源を選定する際は、以下の要素が存在します。

1. 定格出力

双方向直流電源の定格出力は、必要な電力の供給や回収に関わる重要な要素です。必要な電力の大きさや目的に応じて、適切な定格出力を選ぶ必要があります。定格出力はワット (W) やキロワット (kW) などで表されます。

定格出力が大きな製品ほど大きな電力を取り扱うことが可能です。ただし、高価となる場合が多いです。

2. 出力電圧

双方向直流電源の出力電圧は、接続する機器やシステムの要件に合わせて選定します。機器やシステムが動作するために必要な電圧レベルを考慮し、適切な出力電圧を選択することが必要です。一般的にはある程度の電圧幅から調整可能な製品が多いです。

3. 交流電圧

交流電力を供給または回収する場合、考慮するべき重要な要素は交流電圧です。供給または回収する交流電圧は、接続する電力ネットワークや機器の仕様に合わせて選択される必要があります。交流電圧は、一般的に周波数 (Hz) と電圧 (V) の組み合わせで表されます。

国内では、3相200Vまたは400Vなどの電圧が使用されます。周波数は60Hzまたは50Hzの製品が多いです。

4. インターフェース

システムや機器との接続や通信方法も重要な要素です。通信プロトコルやコネクタの種類、制御信号の伝送方法などがインターフェースに関連します。使用するシステムの互換性や適合性を考慮して、適切なインターフェースを選択します。

参考文献
https://www.matsusada.co.jp/column/column-bi-directional-power-supply.html
https://www.keisoku.co.jp/pw/ufaqs/g-guide11/
https://www.toyo.co.jp/material/casestudy/detail/id=30455
https://product.tdk.com/info/ja/techlibrary/techjournal/index9.html

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