マイクロリレーとは
マイクロリレーとは、外部からの信号を受けて電気回路を入切するリレーの中でも小型の機器です。
一般的なリレーよりも小さく、数cm~数mmとコンパクトなサイズとなっています。そのため、制御システムや電子機器など、スペースが制約されている用途に適しています。
また、高速なスイッチング動作が可能です。リレーの接点が迅速に開閉するため、高速な信号処理やタイミング制御が必要な場合にも適用できます。さらに動作の信頼性も高く、長寿命です。
ただし、マイクロリレーは小型なために、電流容量が制限されています。大電流を制御する必要がある場合は、より大型のリレーを検討すると良いです。
マイクロリレーの使用用途
マイクロリレーはさまざまな用途で使用される機器です。以下は代表的な使用用途一例です。
1. 電子デバイス
代表例はスマートフォンです。スマートフォン内の回路制御に使用されます。カメラのオートフォーカス制御やスピーカーの切り替えなどに使用されることが多いです。
また、デジタルカメラではシャッターの制御やズーム機構の切り替えなどに使用されます。OA機器にも使用され、プリンターの紙送りやカートリッジ位置制御などにが利用されることが多いです。
2. 自動車
自動車においても広く使用される機器です。ウィンドウの開閉制御にマイクロリレーが使用されます。また、ヘッドライトの切り替えやブライトモードの制御などに使用されることがあります。
また、自動車のドアロックシステムでは、ロックやアンロックの制御に使用されることが多いです。
3. 医療機器
マイクロリレーは、医療機器にも広く使用されます。心電計では、心電信号の取得や処理にマイクロリレーが使用されるこことが多いです。血圧計では、圧力センサーの制御や表示装置の切り替えに利用されることがあります。
マイクロリレーの原理
マイクロリレーはコイル、接点、スプリングなどで構成されます。これらの部品を、樹脂などの絶縁性材料を使用したケーシングで取り囲んで保護します。
1. コイル
マイクロリレーには、電磁コイルを用いることが多いです。電磁コイルは細い導線が巻かれたコイルの形状をしており、電流が流れると磁場を生成します。この磁場が接点の動作を制御します。
2. 接点
接点は電気の流れを制御する部品です。接点は電流が流れるか否かを制御する役割を果たします。金や銀、銅などの導電率が高い金属が使われることが多いです。
3. スプリング
スプリングは接点に適切な圧力を加え、開放状態から閉鎖状態への切り替えを行います。スプリングは、接点の信頼性と確実な切り替え動作を確保するために重要です。
マイクロリレーの選び方
マイクロリレーを選ぶ際は、さまざまな要素が存在します。以下はマイクロリレーを選ぶ要素の一例です。
1. コイル電圧
コイル電圧は、マイクロリレーが動作する電圧です。一般的なシステムコントローラはDC3.3VもしくはDC5Vで動作します。高電圧な製品としては、DC12VやDC24Vなどで制御される製品も存在します。
また、リレーが動作する瞬間に逆起電力による大きな電流が流れる場合があります。この電流によって周辺デバイスの誤動作が発生する可能性があるため、コイル部分に保護ダイオードを組み込んだ製品も販売されています。
2. 接点電流
接点電流は、接点に通電することが可能な電流値です。マイクロリレーは小型なために、2A以下程度の低定格電流の製品が多いです。定格電流を超えて電流を流した場合、接点の溶着などの故障が発生する危険性があります。
3. 接続方法
マイクロリレーを回路に組み込む際に、さまざまな接続方法が存在します。一般的な方法は、ピンによるソケット接続です。また、はんだ付けによる表面実装が可能な製品も存在します。
4. 極数・接点構成
極数は、マイクロリレーが有する接点の数です。マイクロリレーは小型化するために、1極の製品がほとんどです。接点構成は 接点の種類であり、通常時開のa接点、通常時閉のb接点、2つを組み合わせたc接点が存在します。
参考文献
http://startelc.com/elc/elc_3_6Lr.html
https://www.fa.omron.co.jp/products/family/2839/