位置決めピンとは
位置決めピンとは、機械加工および製造設備組み立てにおいて対象物を正確に位置決めをする部品です。
位置決めする物として、代表的に以下のものがあります。
- 射出成形機等金型を使用して加工する際の金型合わせ
- 加工機へのワーク搬送にてワークの停止位置等位置決め 等
位置決めピンは多くの場合、寸法精度の高い穴に挿入されており、そのピンに向かって相手の部品をはめ込む方式が多く、ピンの寸法公差はh7もしくはm6が主です。
位置決めピンの使用用途
今日の工業製品には無くてはならない物となっており、大型の製品から精密機器まで様々な製品に使用されています。
位置決めには、ラフに位置決めかつ着脱が容易な平行ピンと、位置決めを正確にし、かつ、ワークを繰り返し当てて使用するノックピン等に分類されます。下記に特徴および使用用途を示します。
- 特徴
平行ピンは硬度指定が無いため、繰り返しの使用には向いていません。
ノックピンは硬度指定がある(金型用ダウエルピン)ので繰り返しの使用に向いています。 - 使用用途
平行ピンは当てて動かさない条件で使用します。
ノックピンは表面が硬いため繰り返し使用する条件で使用します。
位置決めピンの原理
ノックピンというのはノックつまり打ち込みのピンの事であり、一般的にダウエルピンの事をノックピンとも言います。
ダウエルピンはJISB5062及びJISB1355で規格が記されており、機器の心出しや位置決めに用いるピンのことを指します。
軸径にプラス公差が適用されており、打ち込まないと穴に入らないためノックピンとも言われ、硬度指定によりピンが硬いので繰り返して脱着するような場所に使用される傾向があります。
一方、平行ピンはプラスとマイナス公差を有し焼入れがされていないピン(ただし、タップ加工されているのは焼きが入っている)のため硬度はピンの材質特性に影響されます。そのためラフに位置決めをするときや静的な位置決めにのみ適していますが、その代わり着脱は容易に出来るため作業性はノックピンと比較すると大幅に優れています。
位置決めピンを使用する際は、その使用目的、性能等を考慮しそれに応じたピンを使用する必要があります。
参考文献
(1) JISB1355 ダウエルピン
(2) JISB5062:金型用ダウエルピン
(3) JISB1354:平行ピン
(4)JISB1359:メネジ付き平行ピン