ラベル検査装置

ラベル検査装置とは

ラベル検査装置とは、ラベルを検査するための装置です。

人間の目による検査に比較して、短時間に大量に安定した基準で検査ができることを利点として、製造ラインの中で数多く使用されています。

製品のラベルには、製品名、型番、ロット番号、使用材料、賞味期限や有効期限など、その製品に係る必要な情報が記載されています。また、瓶や缶など食料品に貼られたラベルには、その製品のイメージを象徴する図柄や写真が印刷されている場合も多くあります。

ラベル検査装置の使用用途

ラベル検査装置は、製品に貼り付け前の台紙に貼られた状態で検査するものと、製品に貼り付け後のラベルを検査するものがあります。

前者は、ラベル自体の印刷品質の検査に使用します。検査内容はラベルに印字されている文字やバーコード、図柄等に、形の崩れ、欠け、食われ、突起等の問題点が発生していないかを調べ、バーコードや文字が正しく読み取れるかも検査します。また、ラベル全体に汚れやシワ、破損が発生していないか、ラベルの台紙からの抜け落ちが無いかなども検出します。

後者の場合は、商品のパッケージに必要なラベルが正しく貼られているか、ラベルの印字内容を正しく読み取れるか、読み取った内容を調べて他の商品が誤って混入していないか等を検査します。

ラベル検査装置の原理

以降は、貼り付け前のラベルを検査するための装置について記述します。

ラベル検査装置は、ラベルを光学的に読み取るカメラやスキャナと、読み取った画像を基に、良品・不良品を判定するシステムを基本に、様々な周辺機器で構成されます。

多量に製品を製造する工場では、使用するラベルの枚数も大量になるため、多くの場合ロール状の台紙に多数枚貼り付けられた形で供給されます。ラベル検査装置では送りだし側のロールから台紙を引き出しながら検査を進め、検査終了後には巻き取り側のロールに巻き取ります。その際、検査済みのロールを小さな幅のロールに分割して巻き取れるようにスリッターを組み込んだ装置もあります。

また、小型のラベル検査装置の中にはロールの送り出し、巻き取り機構を持たず、A4版程度のラベル原紙を1枚ずつ手でステージに置いて検査するものもあります。

ラベルはの材質は紙ラベルやフィルムなどがあるため、検査装置も紙ラベルとフィルムの両方を検査できるものがあります。ラベルは商品の装飾の役割を兼ねていることもあり、カラフルな色合いや、光沢のある表面、鏡のように反射する表面など、様々な表面状態のものがあります。

様々なラベルの表面を正しく読み取る為に、検査箇所への照明の当て方、光の波長を工夫したマルチ照明機能を備えた装置もあります。フィルムの検査に透過光照明が使われることもあります。カメラやコンタクトイメージセンサ (CIS) カメラから取り込んだ検査対象の画像は、画像処理用コンピューターにて、合否の判定に使われます。

ラベル検査装置の種類

ラベル検査装置による検査の特徴として、取り込んだイメージを画像として捉えて欠陥や汚れを検査する画像検査と、文字やバーコードの内容を読み取り、そのラベルに書かれている情報が正しいかどうかを確認する情報検査の2種類を行うことが挙げられます。

画像検査では、コンピューターに取り込んだ検査画像を、予め正しいと認定されたマスター画像と比較して、相違点があれば欠陥として検出します。見つけ出す欠陥にはピンホール、欠け、突起、かすれ、異物、傷などの形状欠陥の他、位置ずれや寸法の違いもあります。

画像検査は、所定の検出感度が要求されますが、感度が高いほど良いというものではなく、ラベルとしての品質を保っているのならば、明らかに検出不要の小さな欠陥は自動で読み飛ばす機能も必要になります。ラベルの色合いも検査する場合は、センサーのカラー対応が必要となり欠陥検出のアルゴリズムも色検査のものが必要となります。

一方、文字やバーコードの情報検査では、記述された内容を正しく読み取れるかを検査しますが、その記述内容はラベル毎に違う場合もあり、画像検査とは別に、他のデータを基にその情報の内容が正しいかどうかを検査します。

ラベル検査は高速で、ロール上にある何枚ものラベルを連続して検査します。不良ラベルを発見した際は該当ラベルの貼り替えや修正を施します。そのためにロールを不良ラベルの箇所まで巻き戻す機能などを備えています。

ラベル検査装置の選び方

ラベル検査装置は高速で大量のラベルを検査し、その過程でラベルの修正も行うことが大切です。ロールの取り扱いのしやすさ、必要な検査感度を持ちながら検出不要な欠陥を読み飛ばす優れた検査アルゴリズム、検査エリアや感度の設定のしやすさなど、検討項目は多岐にわたります。

ラベル検査装置の選択では、基本スペックと機能を満たした装置の中から、実機デモを通して全体の使い勝手を確認することが大切です。

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