検出スイッチとは
検出スイッチとは、オンとオフの切り替えに使用されるスイッチです。
赤外線や、マイクロ波、磁気、光、振動、加圧などを検出して動作します。機械的な接点によってスイッチが動作する場合や、内蔵されている検出素子が光などを検出したときに出る電子や抵抗の変化などによって、スイッチの動作を行う場合があります。
検出スイッチの使用用途
検出スイッチは、店舗や住宅、製品、生産工場、実験装置などで利用されます。検出スイッチの選定の際には、サイズや検出精度、ノイズへの対処、耐久性を考慮する必要があります。
検出スイッチの使用例を以下に示します。
- 自動ドアにおける、人の接近を赤外線によって感知し、動作させるシステム
- 工場における物体の通過を感知して、警報を鳴らすシステム
- 入場ゲートにおけるICカードや磁気ストライプカードの検出システム
検出スイッチの原理
検出スイッチの動作原理を説明します。検出スイッチの中でも、接触によって動作するスイッチ、磁気によって動作するスイッチ、光によって動作するスイッチ、温度変化によって動作するスイッチの検出方法を説明します。
1. 接触
接触を感知する場合は、接触による圧力の変化を、ダイヤフラムなどを使用した検出素子の抵抗の変化量を計測し、スイッチを動作させます。その他にも、接触によって機械的接点を動作させる方式もあります。
2. 磁気
リードスイッチやホール素子、磁気抵抗素子といった検出素子を利用して、磁気の変化量を検知し、スイッチの駆動を行います。使用されている検出素子の種類によって、電源が不要なスイッチから、高速の応答が可能なスイッチ、高感度のスイッチなどがあります。
3. 光
フォトダイオードと呼ばれる検出素子を使用して、光を検出してスイッチを動作させます。フォトダイオードは光を電気に変換する検出素子です。
4. 温度
温度によって抵抗が変化する温度抵抗体などを検出素子として利用することで、スイッチを動作させます。ダイヤフラムなどを利用して、温度によって変化した抵抗量を検知します。
検出スイッチの種類
検出スイッチの種類は、まず検出方式の種類として「接触式」「非接触式」があります。
1. 接触式検出スイッチ
接触式検出スイッチは、物理的な力の作用によって接点を切り替える方式です。検出体が直接スイッチに接触して回路を切り替えるため、検出に間違いがないですが、物理的な接触が生じることにより検出スイッチの故障、経年劣化が起きてしまうというデメリットがあります。
2. 非接触式検出スイッチ
非接触式検出スイッチは、直接接触することなく、磁気や光を利用して検出するため、接触式検出スイッチよりも長寿命であることが特徴です。
検出スイッチには、内部回路の種類によって「a接点」「b接点」「c接点」という分類があります。
a接点
a接点は、スイッチオフ状態で回路が繋がっておらず、検出スイッチが反応すると回路がつながるタイプです。
b接点
b接点は、a接点とは逆にスイッチオフ状態で回路が繋がっており、検出スイッチが反応すると回路が切れます。
c接点
c接点は、a接点とb接点の両方の特性を持っています。入力端子1つと出力端子2つで構成されており、それぞれの出力端子に内部回路が配線され、a接点とb接点の機能を持っています。
なお、非接触式検出スイッチは、検出体が大きくなっても故障リスクが低く、耐久性に優れるため、機械の外部での使用や、水回り周辺での使用にも適しています。また、防水性のある検出スイッチを選定することで、検出スイッチ本体だけでなく、ハーネスコネクタからの水侵入による不良信号を防ぐことも可能です。
検出スイッチのその他情報
1. 検出スイッチの防水
検出スイッチは、使用環境に応じて防水性が求められる場合があります。たとえば、水回り周辺での電化製品や、車載機器で水に触れる可能性がある部分、外で使用する機械などが該当します。
2. 電化製品の防水検出
電化製品の駆動などに使用される防水の検出スイッチは、主に接触式で小型の検出スイッチです。
ただし、検出スイッチに防水タイプを選定するだけでは不十分で、ハーネスコネクタの防水性にも注意が必要です。
3. 屋外で使用する場合の防水検出
外で使用する機器では検出体が大きい場合があり、小型の検出スイッチでは故障のリスクが高くなります。そのため状況に応じて、非接触式で防水の検出スイッチを選択します。