ガス袋

ガス袋とは

ガス袋とは、ナイロンを原料とした透明の袋です。匂い、湿気、そして酸素を通さないため、内容物を変質から守ることができます。透明な袋としては他にOPPシートがありますが、ガス袋とは異なり酸素を透過するため、食品などの保存には向きません。

ガス袋は、成型が容易なため、安価に手に入ることが特徴です。また、サイズのラインナップが充実しており、内容物に合わせた最適な形状を選ぶことができます。ラミネート加工により封をすることができるため、高い密閉性を保持することができます。

ガス袋の使用用途

ガス袋は、酸素を遮断する効果があるため、食品の保管に用いられます。例えば、クッキーやマカロンなどのお菓子、ブドウやイチゴなどの生鮮食品、水分を除去したドライフルーツです。

特に生鮮食品のカット品などの、酸素に晒されると変色や変質が進行するものの保管に最適です。また、食品と共に、脱酸素剤を封入することで、より一層酸素による被害を回避することができます。また、匂いを遮断するため、香りが強い食品の保管にも活用されています。

プール育苗

プール育苗とは

プール育苗

プール育苗とは

プール育苗とは、水稲栽培における育苗方法の1つです。

基本的に、ビニールハウスの中に簡易プールを作って育苗します。プール育苗は、育苗過程における作業を簡略化できるのが最大の特徴です。

プール育苗の使用用途

プール育苗は、田植え前の苗を安定して生育させるために行う作業です。慣行の灌水のように散水ノズルを使う必要がないので、灌水作業や温度管理などの労力を軽減したい農家や減農薬栽培などで広く普及しています。

最近では、露地プール育苗という野外で実施するケースも見られます。

プール育苗の特徴

長所

1. 作業が軽減される
プール育苗の水やりは、プール内の水が減ってきたら追加します。そのため、散水ノズルでの水やりに比べ、灌水作業が格段に省力化できます。

また、追肥作業はプール内に肥料溶液を流し込むだけなので、肉体への負担を軽減できるのも長所です。

2. 病気に強い苗が作れる
プール苗で育てると病原菌の生育が抑制されるため、田植え後もカビや細菌などによる病気に強くなるのが長所です。

3. 根張りの良い苗が作れる
プール育苗で育てた苗と平床育苗とを比べると、根張りの良さや草丈が長くなるのが特徴です。

4. 田植えの効率が上がる
プール育苗は灌水ムラを起こしにくいため苗サイズが均一となり、効率よく田植えができます。

5. コスト削減につながる
プール育苗は床土が乾きにくく、畑育苗に比べて床土量が半分ほどまで減らせるため、コスト削減にもつながります。

短所

1. 平らに整地するのが面倒
プール育苗では整地作業は大切なポイントです。しかし、新規就農者など不慣れたうちは、床を均平にする作業が面倒と感じるかもしれません。

高低差をできるだけ少なくすることで、苗の過乾燥や水没から守れるので、土を固める丁寧に行うのがポイントです。

2. 水漏れに注意
プール育苗では、水が漏れないようにシートを張る作業が必要です。

3. 温度管理が大事
ハウスの風通しを良くしておかないと夜間も水で保温されるため、苗丈が伸びすぎたり、弱い苗になったりする可能性があります。

プール育苗の使い方

一般的なプール育苗は、ビニールハウスや温室を活用します。プール育苗を実施する流れは次の通りです。

1. 置き床を水平に整地する

均一に水を張れるよう、置き床から石やくぼみなどをなくして水平に整地します。水平確認ができる商品があると便利です。

2. 枠作りをする

水を溜める枠作りをします。プール育苗には5~7cm程度の水深が必要なので、10cm程度の幅の木の板、または市販のプラスチック製枠を用いて設置します。排水するために、水尻の設置も必要です。

3. 遮水シートを張る

水をしっかり溜めるためには、枠よりも50~80cmほど大きいサイズの遮水シートが必要です。もし穴が開いていたら、補修テープで補修しておきます。

プール育苗用シートや、やや厚みがあり丈夫なブルーシート系のプール育苗専用シートもあります。

プール育苗のその他情報

プール育苗の注意点

1. 均平化のために工夫する
プールの置き床の高低差を少なくするには、水平を音で確認できる商品を活用するか、レーザー水平器を活用すると失敗しません。

また、くぼみに土を多めに盛り、タンパーで上から叩いて突き固めておくと良いです。目安として、足跡がつかない程度の固さに鎮圧しておくと水平が保たれやすくなります。

2. ビニールシートを破かないように工夫する
ビニールシートは大変薄いため、道具や靴などで引っ掛けると破ける可能性があります。プール内に育苗箱を敷き詰める際は、発泡スチロールなどに乗りながら移動すると良いでしょう。

3. 病害の発生を抑制する
プール育苗は病害発生に強いものの、初期段階でしっかりと観察し、全滅を防ぐことが重要です。

4. 運搬作業のために準備する
苗箱は水を多く含んでいるため、運搬予定の数日前にプール内の水を抜き、苗箱の重量を軽くしておきます。さらに、苗箱を斜めにしておくと水が切れるので、運搬作業が楽になります。

リゾレックス

リゾレックスとは

リゾレックス(リゾレックス水和剤)とは、農地で使用される有機リン系の殺菌剤です。リゾレックスの有効成分は、トルクロホスメチルで、リゾレックス水和剤のなかに50%含まれています。

リゾレックスを農薬として散布することで、農地で栽培されている作物に悪影響を及ぼす病原菌に殺菌効果を及ぼします。リゾレックスの具体的な作用機序としては、リゾクトニア属菌、コルティシウム属菌、ティフラー属菌の細胞分裂や運動機能を阻害することによります。

リゾレックスの使用用途

リゾレックスは、農薬として農地に散布することで、作物に悪影響を及ぼす病原菌を殺菌します。

リゾレックスの具体的な使用方法は、作物の種類に依存します。以下、代表的な作物に対するリゾレックスの使用方法を説明します。

リゾレックスをねぎに対して使用する際には、まず、リゾレックスを1000倍に希釈します。希釈したリゾレックスを土寄せ時に、ねぎの株元に散布します。

キャベツに対してリゾレックスを使用する際には、リゾレックスを500倍から1000倍に希釈します。その後、希釈したリゾレックスを収穫の7日前までに散布します。

ホースカップリング

ホースカップリングとは

ホースカップリング

ホースカップリングとは、水道の蛇口とホースを連結する部品です。

一般的にはプラスチックや金属で作られており、耐圧性、耐候性を保持しています。蛇口などの液体供給側とホースを連結する吐出側は、様々な形状に適用できるよう豊富なラインナップがあります。

ホースを直接差し込むタイプに対し、カプラタイプも市販されています。別途カプラの装着が必要ですが、ワンタッチでホース接続を解除できるため、ホースの着脱が簡単です。

ホースカップリングの使用用途

ホースカップリングは、水道の蛇口にホースを接続するときに用いられます。例えば、屋外で散水したり、水を用いて機器などを洗浄したりする場面です。

広範囲や高所への散水や、高流量で使用する場合は、ホース接続部に圧がかかり、抜け易くなります。このため、金属製のホースバンドや、プラスチック製のインシュロックを使って、ホースカップリングとホースを強固に密着させます。

ホースの長さを自由に変えられるため、遠方への水の供給も可能です。また、養液栽培などの長期間一定流量を供給する場合にも重宝されています。

ホースカップリングの特徴

長所

ホースカップリングの長所は、蛇口からホースの先まで直接水を引っ張れるという点です。ホースの長さを自由に決められるため、水道とホース、ホースカップリングがあれば簡単に広範囲への散水、洗浄などを行うことができます。

ホースを蛇口に直接接続することも可能ですが、ホースの先が伸びてしまったり、抜けやすかったりするのが難点です。それに対して、ホースカップリングはホースの接続部分に凹凸があるため、ホースが抜けにくく安心して使用することができます。

ワンタッチでつけられるものを使用することで、ホースを収納する際などに簡単に付け外しが可能です。ホース自体の着脱回数を減らすことで、劣化したり伸びたりすることが少なくなります。

短所

ホースカップリングの短所として、口径がさまざまなためサイズの確認が必須となることが挙げられます。蛇口の口径、ホースの口径を確認してから購入する必要があります。25mm、50mmのものが一般的です。

ホースカップリングの種類

1. 口径による分類

25mm、50mmのものが多く販売されています。様々なホースの口径に対応できる段階型のものも販売されており、汎用性が高いことが特徴です。

2. タイプによる分類

ホースをカップリングに直接はめ込むタイプの他に、ワンタッチで着脱可能になるカプラタイプのものも販売されています。こちらは蛇口とホースにそれぞれカプラを装着する手間が増えてしまいますが、頻繁に着脱する予定がある場合は非常に便利です。

3. 材質による分類

プラスチックや金属など、材質にも種類があります。それぞれ耐圧性や耐候性が異なり、気候や使用方法、ホースの長さなどによって使い分けることが大切です。

4. 用途による分類

ホース同士を接続するためのカップリングもあります。蛇口と接続するものか、ホース同士を接続するものかよく確認することが大切です。

ホースカップリングの選び方

1. 口径

ホースカップリングを選ぶ際は、まず口径を確認する必要があります。蛇口、ホースの口径を確認し、それに対応している製品を選ぶことが重要です。様々な口径のホースに対応可能な段階型のホースカップリングも市販されているため、複数のホースを使用する際はこのタイプがおすすめです。

2. 材質

材質の確認も重要です。材質や製品によって耐圧性、耐候性が異なるため、使用場所の環境やどの程度の水圧で使用するのかを検討したうえで選ぶことをおすすめします。

ホースカップリングの使い方

ホースカップリングは、蛇口とホースの先端に取り付けて使用します。ホースの接続部分は着脱が比較的簡単にできるため、先に蛇口にホースカップリングを取り付けてからホースと接続することで、スムーズに使えるようになります。

セーフティグラス

セーフティグラスとは

セーフティグラス

セーフティグラスとは、農作業や工事現場などで、作業中などに異物が目に飛んできたときに目を守るための保護メガネです。

使用分野は多岐にわたりますが、農業分野では刈払機を使用する際に役立ちます。

セーフティグラスの使用用途

セーフティグラスは、作業中に目の中に異物が入らないようにする保護メガネです。さまざまな業界で使用されています。

例えば農作業での使用用途は、刈払機の使用時です。刈払機を使うと小石や草が、さまざまな方向に飛ぶ可能性があります。

それらが目に入ると大変危険なため、セーフティグラスが必要です。

セーフティグラスの特徴

長所

セーフティグラスの長所として、目の保護ができることが挙げられます。ほとんどの製品が軽く、かけるだけで目を保護できます。

また、セーフティグラスは数百円から購入できるため、導入時のコストも低いです。使用用途に応じて、さまざまな製品があることも長所の1つと言えます。

短所

セーフティグラスの短所として、作業時に邪魔になる可能性が考えられます。特に、夏の暑い時期などは、熱中症も含めて注意が必要なほど、気温が上がります。目を守るためのセーフティグラスが煩わしく感じる人も多いです。

また、耳にかけるタイプのセーフティグラスが多く、うつむいたときに落ちてしまう可能性もあります。

セーフティグラスの種類

セーフティグラスの種類として、さまざまありますが、「農業用」「化学試験用」「工事用」の3種類が代表的です。

1. 農業用

農業用のセーフティグラスとして、UVカット機能や軽量化が備わっている場合が多いです。炎天下の農作業は、紫外線が強く、セーフティグラスをかけることで、目への紫外線をカットすることができます。また、体に身に着けるものを軽くすることで、体への負担が減り、作業を進めることができます。

農業用のセーフティグラスは、外で落とすことを考えて、柔軟性のあるポリカーボン製レンズが使用されている場合も多いです。

2. 化学試験用

化学試験用のセーフティグラスは、さまざまな試薬に対応できる材料を使用して作られている場合が多いです。また、化学試験で使用する場合、学校等で男女兼用で使用されることを考えて、性別関係なく使用できるように設計されています。

化学試験では、薬品が飛び散ることも考えられるため、目だけではなく、目の周辺を覆う構造になっています。薬品の中には肌に触れただけで、皮膚がただれる場合もあるため、目の周辺を覆うことができるセーフティグラスも多いです。

3. 工業用

工事用のセーフティグラスは、溶接などを行う際に火花が飛んできたり、工事の際に石が飛んできたりしたときに、目を保護することができます。

さまざまな現場で使用することが多いため、衝撃に強かったり、薬品耐性があったりするセーフティグラスが重宝されます。

セーフティグラスの選び方

セーフティグラスの選び方として、使用用途や素材が挙げられます。

1. 使用用途

セーフティグラスをどのように使用するかで、セーフティグラスに必要な特性が変わります。例えば、小石の多い畑で草刈り機を使用する場合は、石が飛んできても目を守れるように、衝撃に強いセーフティグラスが必要になります。

また、外で長時間作業が行われることが考えられるため、UVカットの特性のあるセーフティグラスが好まれます。

2. 素材

使用用途にも少し関わってきますが、セーフティグラスの素材についても確認する必要があります。一般的に、セーフティグラスは、ポリカーボネート製のレンズが使用されていることが多いです。ポリカーボネート製は、軽く、柔軟性があり、衝撃にも強いです。通常の化学試験においても、使用することができます。

しかし、特殊な薬品を使用する場合など、使用する場面に適した素材であるかどうかを確認した上で、購入することが大切です。

クリーンカップ

クリーンカップとは

クリーンカップとは、クミアイ化学工業株式会社から市販されている農業/園芸用の殺菌剤です。

クリーンカップのなかには、水酸化第二銅が50.0%(銅単独の含有割合としては32.6%)含まれています。また、クリーンカップは、バチルス・ズブチリス D747株の生芽胞を2.0×10E10 cfu/g含んでいます。

クリーンカップの形状は、水和性の粉末で、クリーンカップの色は、淡青緑色です。

上記の通り、クリーンカップの成分は、バチルス・ズブチリスと呼ばれる生菌と天然の銅です。このバチルス・ズブチリスは、細菌の一種で、この細菌は作物に悪影響がありません。

クリーンカップの使用用途

クリーンカップは、殺菌剤として、農地に散布することで、農作物の病気を抑制することができます。

クリーンカップの有効成分であるバチルス・ズブチリスは、農作物に悪影響を与えることがありません。そのため、クリーンカップを農地に事前に散布することができます。これにより、クリーンカップは、作物の病因となる微生物が作物に侵入するのを防ぐことができます。クリーンカップの具体的な効果として、クリーンカップは、うどんこ病・灰色かび病の予防に高い効果を示します。さらに、トマトやミニトマトの葉かび病にも有効です。また、きゅうりのべと病や褐斑病にも効果的です。

ビニールポット

ビニールポットとは

ビニールポット

ビニールポットとは、花や野菜の苗の栽培に使用される、プラスチック製の鉢のことです。

通常、ポリエチレンや塩化ビニールなどの柔らかい素材で作られており、別名でポリポット、育苗ポットとも呼ばれています。ビニールポットは、種から苗を育てたり、花や植物などの苗を販売したりするときに利用され、成長後は畑や花壇、プランターなどに植え替えします。

繰り返し利用することができるものの、安価であるため使い捨て資材として扱うこともあります。また、通販やホームセンター、100均などで用途に応じた形状が販売されており、サイズやカラーも多様です。

ビニールポットの使用用途

ビニールポットは、農業・園芸のプロからガーデニングを楽しむ一般家庭までと、さまざまな場面で使用されます。

1. 種からの育成

ビニールポットは、種から野菜や花などを育てる際に便利です。種をポットにまくことで、根がしっかりと育ち、強健な苗が育ちます。

2. 苗からの育成

ビニールポットは、観葉植物や多肉植物、水連などの水生植物を、植え替えするまで育成する際にも使用されます。苗が十分に成長したら、ポットから取り出して他の場所に移植できます。

3. ビニールハウスでの栽培

ビニールポットは、ビニールハウスでの植物栽培にも適しています。鉢植えと比べて軽量なため、同じビニールハウス内への移植管理が容易です。

4. 大規模イベント

ビニールポットは、学校やコミュニティの種蒔きプロジェクトなど、大規模に植物を育成するイベント時などにも使用されます。

ビニールポットの特徴

長所

1. 軽量で取り扱いが容易
ビニールポットは軽量素材で作られているため、持ち運びが簡単です。また、ポットの底には水が流れ出る穴が開いており排水性が良いため、水やりの管理もしやすくなっています。

2. 保管が容易
ビニールポットの厚みは薄く、使用しない時期は重ねて保管できるため、場所を取らないのが長所です。

3. 栽培初期の生育管理が容易
ビニールポットを活用することにより、畑に直接種を播いて育苗するよりも気候や害虫の影響を受けにくくなります。また、雑草防除作業や水やり作業なども含め、生育期間の管理が容易です。

4. 経済的
ビニールポットは比較的低価格で入手できるため、大量の植物などを育てる際でも低コストで用意できます。再利用も可能であり、環境にも優しい選択肢です。

短所

1. 耐久性が低い
ビニールポットは、素焼きなどの天然素材に比べ、耐久性が低いです。長期間の使用や直射日光など厳しい気象条件にさらされる場合、劣化や破損の可能性があります。

2. 蒸れやすい
ビニールポットの底部またはスリット部からの通気性はあるものの、ポット全体からの通気性がないため、根の蒸れに注意が必要です。

3. 植物の成長に制限がある
植物はビニールポットのサイズに応じて成長するため、根の成長具合にも制限があります。根がポット内で巻きつき過ぎると成長を阻害してしまいます。

ビニールポットの種類

ビニールポットの直径は約4cmから40cm、高さは約4cmから30cmまでと、サイズの種類はさまざまです。形状の種類は底穴が空いたもの、側面に数カ所のスリットがあるタイプ、直径はそのままに高さがあるロングタイプなど複数あります。

また、一般的な色は黒ですが、黄色やシルバー、ピンク、半透明などカラフルなビニールポットも数多く販売されており、目的に応じて選ぶことが可能です。

ほかにも、複数のビニールポットが一つにまとめられたマルチポットもあります。一度に複数の苗を育てられ、各ポットを分離することができます。

ビニールポットのその他情報

ビニールポットへの植え替え

ビニールポットで育てられた観葉植物や多肉植物、サボテンなどが園芸店やホームセンターで販売されていますが、植え替えずにそのまま育てるのはおすすめできません。ビニールポットの底部やスリット部から根が出てきたら、植木鉢や花壇などに植え替えるタイミングです。

農業や家庭菜園で育てる花や野菜も同様に、一定の大きさまで育ったら、ビニールポットの底部から指や割りばしなどで押し上げるようにして植え替えしてください。根が回りすぎていたら、ほぐしたりカットしたりして移植します。

ソルネット

ソルネットとは

ソルネットは、初期の水稲栽培に利用される、水田に生育する雑草を防除するための除草剤です。ソルネットは、ノビエやホタルイ等に代表されるような多年生カヤツリグサ科の植物の他に、コナギやアゼナなど、様々な種類の水田雑草を防除するのに、幅広く使用されています。

ソルネットは、淡い灰色の細かい粒状の薬剤であり、プレチラクロールという有効成分を含んでいます。ソルネットは、気候や植付の条件に左右されることが少なく、散布しやすいといった特徴があります。また、稲自体には無害なため、安心して使用することができます。

ソルネットは、スイスにあるチバガイギー社(現シンジェンタ社)によって開発された、酸アミド系除草剤であり、「ソルネット」という名前は、シンジェンタ社の登録商標となっています。

ソルネットの使用用途

ソルネットは、水田に生育する雑草を防除するための除草剤として、水田に散布される形で利用されます。ソルネットは、散布に適した時期が長いことから、田植え前後のような繁忙期でも、時間に余裕をもって使用することができるといった特徴があります。

水田雑草の生育を的確に防除するため、雑草の発生以前から発生始め頃までに、ソルネットを散布する必要があります。ソルネットは、水田を湛水状態にしてから、均一に散布されます。そして、ソルネットを散布した後は、少なくとも数日間、湛水状態を保ちます。

ソルネットは、主に、雑草の幼芽部が伸長するのを抑制し、枯死させることによって、雑草の増殖を防ぎます。 

チオノックフロアブル

チオノックフロアブルとは

チオノックフロアブルは果樹の病害を予防する殺菌剤の一種です。有効成分は濃度40%のチウラムで、チオノックフロアブルは商品名です。同一成分の殺菌剤としてトレノックスフロアブルという商品もあります。

チウラムはもともとゴムの弾力を大きくする促進剤として使われてきましたが、その殺菌力を利用して農業用殺菌剤としても使用されています。

チウラムはPRTR法第一種指定化学物質に分類されており、事業者に排出量を届け出る義務が課せられています。また、国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)合同の残留農薬専門家会議(JMPR)によって、チウラムの1日許容摂取量は体重1kg当たり0.01mgと定められています。

チオノックフロアブルの使用用途

チオノックフロアブルは、主に果樹の病害を予防するために使用されます。

適用作物はりんご・なし・もも・かき・すもも・あんず・うめ・ぶどう・いちご・花き類・観葉植物などで、適用病害は斑点落葉病・黒星病・黒点病・褐斑病・赤星病・炭疽病・黒斑病・心腐れ症・縮葉病・せん孔細菌病・うどんこ病・幼果菌核病・晩腐病・べと病・灰色かび病などです。

チオノックフロアブルは安価で、また、多種の病原菌に抗菌性を持つため一度の散布で多くの病害を同時に予防できるという長所を持ちます。一方、なしなどの果樹で、チオノックスフロアブルの使用によって花粉の発芽率が低下する事例が報告されており、受粉日を避けて散布するなどの注意が必要です。 

トラクターシューズ

トラクターシューズとは

トラクターシューズとは、ファスナー付きの防水地下たびのことです。ファスナーは足の内側後方にあるため、泥や砂が噛みにくいです。また、深い位置まで下げれるため、足の抜き差しが容易です。

ファスナーで胴部をしめるので足首がぴったりとし、疲れが少なく、履き口より土や砂が入りにくいサイズの割に軽量で柔らかく、激しい動きでも疲れにくいことが特徴です。足の先は、先丸タイプか股付タイプを選べます。脱ぎ履きが楽な大型ファスナーが付いても履き口まで完全防水で、水濡れによる作業性の悪化、体温の低下を防止し、長時間快適な作業が可能です。

トラクターシューズの使用用途

トラクターシューズは、強度が高く足の広範囲をカバーできる上に機動性が高いことから、建築、農耕、ハウス園芸などに用いられています。特に木材や道具が足元に散乱しがちな作業場だったり、泥で足が取られやすい農作業に適しています。

トラクターシューズの形状は先丸タイプと股付タイプの2種類があります。先丸タイプは、靴下を履いていても容易に脱着が可能であり、現場の確認や軽作業時に向いています。一方で、股付は、泥やぬかるみでの作業で、踏ん張りが必要な時に重宝されます。また重量物の取り扱いにおいても靴の中が滑りにくく力が入り易いことが特徴です。ひざ下まで十分な範囲をカバーしていることから、水路掃除、草刈り時にも力を発揮します。