昇圧レギュレータとは
昇圧レギュレータは、電気回路において入力電圧を昇圧して出力するための電圧変換方式のことを言います。供給する電源電圧が低く、電気回路を動作させるための電圧が不十分な時などに用いられます。昇圧レギュレータを使用し供給する電圧を高くすることで、回路の駆動に必要なエネルギーが印加され、回路が停止したり誤動作したりすることを防ぎ、安全に動作させることが可能になります。
昇圧レギュレータは昇圧型DC/DCコンバータなどの電圧変換ICに用いられる方式です。
昇圧レギュレータの使用用途
昇圧レギュレータは低電圧の電源を供給して電気機器を利用する時などに用いられます。
具体的な例としては、低消費電力で駆動する機器などが多く、単三電池を電源とするポータブル電気機器などに用いられることがよくあります。駆動させる電圧に対して、機器に挿入できる単三電池が2、3本しかないような小型の機器において、内部の電気回路を動作させるためには、2、3本の単三電池の電圧のみでは足りないことがあります。そのような場合に昇圧レギュレータにより電気回路が駆動する動作電圧値まで昇圧させることで機器を駆動させます。
昇圧レギュレータの原理
昇圧レギュレータの原理を説明します。まず、回路構成について説明します。昇圧レギュレータの回路構成は入力電源、インダクタ、MOSFET(スイッチ)、ダイオード、コンデンサ、出力端子となっております。スイッチがOFFの時、入力電源→インダクタ→ダイオード→コンデンサ・出力端子(並列接続)→入力電源の順に電流が流れる回路となります。スイッチがONの時、入力電源→コイル→MOSFET→入力電源の順に電流が流れる回路となります。
続いて動作原理を説明します。MOSFETスイッチがONの時、インダクタに電流が流れ、インダクタがエネルギーを蓄積します。続いてMOSFETスイッチがOFFの時、インダクタに蓄積されたエネルギーと、入力電源のエネルギーが合算された電圧がコンデンサおよび出力端子に印加されます。インダクタに蓄積されたエネルギーが加算されるため、入力電源より高い電圧を出力させることができるという原理です。このON・OFF動作を高速で繰り返すことで、安定的に入力電圧を昇圧させることができるのです。