設備CADとは
設備CADとは、電気、ガス、空調や、給排水などの設備を設計する際に用いられるCADのことを言います。
CAD (Computer Aided Design) はコンピューターを使った設計ツールです。今日では、あらゆる産業において、CADを使って設計や図面の作成を行っています。
その中で、特に住宅やビル、工場などに付帯した設備に関する設計や図面作成の用途に適したCADが設備CADです。
設備CADには建物の中に敷設されるパイプやケーブルとそれらの関連部品が、予めデータとして収納されています。また申請書に添付する図面を出力する機能を備える等、業務に特化した機能やライブラリが揃っています。
設備CADの使用用途
設備CADは、建築物における電気、空調、給排水、などの様々な設備に対するる図面の作成に使用されます。その際、一般的には、設備の種類ごとにグループ分けした図面を作成します。
電気設備に関係する図面では、配線図を中心にコンセント、スイッチ、照明などの器具の配置が描かれています。なお、照明関連については、天井のコンセントやそれにつながる配線などを、電気設備の図面とは別の図面として作成する場合もあります。
空調設備図面では、空調システムの配置、ダクトの引き回し、冷暖房ユニットの他、各部屋の空気の流れなども描かれます。
給排水設備の図面では給水管、排水管を作図し、それに給湯器、トイレ、排水管、排水ポンプなどの設備の配置を示します。
ガス設備図面では、ガス供給の配管、ガスメーター、ガスの栓などや、ガス給湯器や固定式のガスストーブの配置などを作図します。
設備CADの原理
設備CADは、建築物の電気、ガス、空調、給排水などの設備設計に特化したCADソフトウェアです。汎用CADと比較すると、設備CADには以下のような違いや特徴があります。
1.専門機能と専用コマンドが充実
設備CADは、設備設計に特化した専用コマンドや機能を提供します。その中には配管や配線などの自動生成が可能もあり、この機能を使うと設備図面の作成を効率的に行えるようになります。
2.詳細図面を用いた解析機能の提供
設備CADは、建築物の電気、空調、給排水、ガスなどの詳細を示す図面を作成できます。また、作成した図面に基づいてエネルギー効率や快適性を最適化するためのシミレーション機能を備えたものもあり、設計時において建築物や設備の性能の向上に関する検討に使用できます。
3.他部門との連携機能の提供
設備CADは、建築や、土木や、製造などの、設備に関する様々な業界で使用されているため、設備CADを介して、業界を超えた業務連携がスムーズになるように活用されています。
一部の設備CADは、3DモデリングとBIM(Building Information Modeling)に対応しています。BIMは設計から施工、メンテナンスまでの一元管理を実現するもので、現在では建築業界で広く活用されています。
設備CADの選び方
初めて設備CADを導入する場合、以下の点に注意して選択することをおすすめします。
1. 設計する設備の種類
電気設備、空調設備、給水設備など、設計する設備の種類によって必要な機能が異なります。自分が担当する設備が電気設備であるならば、電気設備に強いCADなど、設計する設備の種類に応じたCADを選択するのが良いでしょう。
2. 設計する設備の規模
設計する設備の規模や複雑性によって、必要な機能や性能が変わってきます。小規模な案件であれば、基本的な機能を搭載したCADで十分であり、その方が使いやすい場合もあります。
3. 操作性
直感的に使用できて、操作性の良い製品がお薦めです。デモ用ソフトを借りるか、無料のお試し版をダウンロードするなりして、いくつかの製品を比較してみるのも良いでしょう。
4. データの互換性
既に他のCADソフトを使用している場合や、関連先の会社などとCADデータのやり取りをする場合には、予めデータの互換性を確認しておく必要があります。
5.予算
設備CADは、数万円から数百万円程度と幅広い価格帯の商品があります。必要な機能と予算に合わせた最適な製品を選択することをお薦めします。
参考文献
https://bringrow.co.jp/blog/18/
https://bringrow.co.jp/blog/143/
https://tanaksys.com/
https://www.cad100.jp/rebro/
https://www.daitec.jp/catalog/tfas11/tfas_01.html