メーターリレーとは
メーターリレー (英: Meter relay) とは、メーターゲージとして値を指示しつつ、接点出力する装置です。
電力システムや制御システムにおいて使用されることが多いです。また、通常のメーターゲージと同様に視覚的に値を確認することができます。
一般的なメーターゲージは単に数値を表示するだけであり、制御機能は備えていません。メーターリレーは異常な状況を検出し、適切なアクションを実行することが可能です。したがって、システム異常に対して迅速に応答できます。
メーターリレーの使用用途
メーターリレーは、さまざまな産業・用途で使用されます。以下はメーターリレーの使用用途一例です。
1. 電力系統制御
メーターリレーは、電力系統の制御に使用されることがあります。電力回路に過負荷が発生した場合に過電流を検出し、関連する回路を遮断することで過負荷を防止することが可能です。また、電圧の低下や上昇が検出して、使用機器の保護をするために関連する回路を遮断することもあります。
また、再生可能エネルギー (太陽光、風力など) を電力システムに統合する際にも使用されます。エネルギーの生成と供給を監視し、電力系統への安定的な連携をサポートします。
2. 機器制御
メーターリレーでポンプやファンなどの機械を制御することが可能です。機器を駆動させるモーターの電流値を監視して制御する場合が多くあります。上限電流値を設定しておき、設定以上の電流値の場合にはトリップさせることが可能です。
また、下限を設定して制御する場合もあります。ポンプにエアーが噛み込んだ際は、吐出圧力が上昇せずに電流値が低下します。このような不具合を検知して、ポンプを停止させつつ警報を発報させることも可能です。
メーターリレーの原理
メーターリレーは、検出部、指針・ばね、リレー部分などで構成され、電流や電圧を検出するためのセンサーを備えています。電流や電圧がメーターリレーに入力されると、センサーが検出します。センシングデバイスによって検出された値に応じて、内部のコイルが磁気力を発生させる仕組みです。
磁気力などによって、指示用の指針を動かします。無負荷時の指針はばねによって原点位置を指しており、力が加わった場合にのみ動作します。メーターリレーは検出した値を表示する指針とは別に、接点出力用指針を有する場合が一般的です。
リレー部分では実際の値を示す指針が接点出力用指針と重なることで、内部のばねなどの作用によって接点が動かされます。この接点の動作によって出力を発生させるのがリレー部分です。このリレー部分には、無接点のトランジスタ出力などが使用される場合もあります。
メーターリレーの種類
メーターリレーは入力信号に応じてさまざまな種類が存在します。以下はメーターリレーの種類一例です。
1. 電流リレー (英: Current relay)
電流リレーは電流を検出し、しきい値に応じて接点出力するリレーです。内蔵の変流器(CT:Current Transformer) を使用して電流を検出します。CTは電流の変換器であり、電流を検知しやすい低電流に変換する役割を果たします。電動機などの保護や、配電線の過電流保護などに使用されます。
2. 電圧リレー (英: Voltage relay)
電圧リレーは、電圧を検出して接点出力するリレーです。内蔵の電圧センサー (PT:Potential Transformer) を使用して電圧を検出します。PTは電圧の変換器であり、電圧を検知しやすい低電圧に変換する役割を果たします。
電圧リレーは、電力システムの電圧に関する保護や制御を担当する重要な装置です。
3. 温度リレー
温度を検出して接点出力するリレーです。温度センサーを使用して環境や装置の温度を検知します。サーミスタや熱電対などの温度センサーが使用されるのが一般的です。
装置やシステムを過熱から保護するために使用されます。また、温度が設定された範囲外に上昇しないように制御する場合にも使用します。
参考文献
http://www.toyokeiki.co.jp/product/analog_instrument.html