地熱発電用蒸気タービン

地熱発電用蒸気タービンとは

蒸気タービンは、ギリシャの数学者ヘロンが考案、発表した「ヘロンの回転球」が原型といわれています。現在の原型となるタイプの蒸気タービンは、1898年にフランスのラトーが実用化を成功させました。

地熱発電用蒸気タービンは、地中深くから取り出した熱エネルギーの蒸気をタービンの動翼に吹き付けて、羽根車の回転でエネルギーに変換する装置の原動機です。

地熱発電は、地下のマグマの熱エネルギーを利用して発電を行います。地熱貯留層(マグマによって熱せられた高温・高圧の地下水が溜まっている層)で200〜300℃を超える高温の天然蒸気によって蒸気タービンが回転してエネルギーが作り出されます。

蒸気タービンの原理は、水車が水の力で、風車が風の力で回転しているように蒸気の力でタービンの羽根車を回転させ、エネルギーを作り出すことです。このように私たちの生活や産業を支えている電気を地熱発電で作り出す際に、重要な要素を持ちます。

地熱発電用蒸気タービンの使用用途

地熱発電において、発電機の駆動用として用いられているのが、地熱発電用蒸気タービンです。地熱発電の方式の代表例として、直接的に蒸気を導いて発電する天然蒸気利用方式、蒸気と水を分け、蒸気のみをタービンに導くフラッシュ方式のほか、バイナリー方式などがあります。

地熱発電では、地中深くの地熱貯留層から昇る蒸気が蒸気タービンに達するまでに、抗口装置や気水分離器などの諸設備を通して、均質かつ不純物を除去した蒸気に精製されます。

このため、蒸気タービンは、地中から噴出する天然の高温蒸気を直接的に通気して駆動します。蒸気を危急時にしゃ断する主蒸気止め弁や、負荷に応じて蒸気量を調節する蒸気加減などを含む制御機構と出力発生部が内蔵しています。

地熱発電の蒸気タービンは、ベルヌーイの定理を用いています。蒸気が減圧、膨張すると高速流となり、この高速流を風車状の羽根車に衝突させて作り出された衝撃力が羽根車を速度エネルギーから動力エネルギーに変換します。

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