プラウ

プラウとは

プラウとは、農地などの土を掘り起こす器具で、いわゆる鋤のことです。

トラクターに付けて使用します。プラウを使うと、土を大きく、深く掘り起こすことができます。土をきるコールターと言われる円盤とコールターの後ろにボトムと言われる鍬がついており、ボトムで土を曳きます。

ボトムは、耕す畑や田んぼの規模にあわせて、1から7つまで付けることが可能です。広大な場所を効率的に掘り起こせますが、深さが40cmと深いため、その後整地を行う必要があります。

プラウは古くから使用されている農機具で、はじめは牛に引かれていました。その後、馬になり、工業国では蒸気機関になりました。今では、エンジンを搭載したトラクターが使われています。

プラウの使用用途

プラウは、広い畑や田んぼの種まきや苗の植えつけの際に、土を耕すために使われます。深く掘れることから、下にある元気な土を上に出し、上にある葉や根を下に埋めることで、肥沃な土になります。土の疲弊を改善して堆肥度を上げ、良い作物を作ることが可能です。

また、土が固い土地や石があっても使用することができます。プラウを使って耕す場合、下の土を上に出すことで、害虫の卵や幼虫を死滅させることがでるほか、水はけの良い土壌にできることが大きなメリットです。

近年、土壌の流出が多い地域では、プラウの使用が控えられています。農業以外の使用例として、海底ケーブルを敷設するときや、海底田油の探索、湖底に水道管を敷設するときなどが挙げられます。

プラウの特徴

長所

1. 反転効果を得られる
プラウを使って耕すと、同じく耕うんする機械であるロータリーよりも深く土壌を耕せます。そのため、上層の土と下層の土を入れ替えることが可能で、圃場を作物の成長に適した土壌にしやすいです。

堆肥や有機物をすきこむことで微生物の活動を活発にし、地力を上げることが期待できます。また、雑草の種や表層の病原菌、害虫を深く埋没できるので、雑草の発生や病気、害虫による被害を抑制する効果も期待できます。

2. 破砕効果を得られる
プラウで深く耕すことによって、圃場の耕盤を破砕することが可能です。耕盤を破砕することで水や空気の通り道ができるため、排水性の向上が期待できます。

また、耕盤が破砕されることで、作物の根が深くまで伸びていきます。地下深くまで根を伸ばすことで、養分の吸収率が上がり、作物を丈夫に育てます。

短所

1. 耕盤層が形成される
上記の長所で挙げている破砕効果と矛盾する内容にはなりますが、大型機械を使用しているような圃場では機械の踏圧によって、固まった地盤が作られる場合もあります。

また、耕盤が作られた土壌をプラウで反転すると、踏み固めて硬くなった土が上層に来るため、土の隙間が少なくなり、排水性が悪くなったりします。

2. 土壌が劣化する
必要のないプラウ耕は、土壌を劣化させてしまう恐れがあります。上層にあった土を下層に返すため、肥料を撒いて調整してきた土壌をまた始めから作り直さなければいけません。

さらに、堆肥などでふかふかにした土も下層の湿りけのある土と入れ替わってしまいます。

プラウの種類

プラウは反転装置の違いによって3種類に分類されます。

1. ボトムプラウ

一般的にプラウとは、ボトムプラウのことを指します。ボトムは、金属や樹脂を貼り付けた曲面で、土壌を破砕し反転させます。

作業方法の違いによって、ワンウェイプラウ・リバーシブルプラウ・丘曳きプラウ・溝曳きプラウがあり、目的の違いによって水田用プラウ・深耕プラウなどに分類されます。

2. ディスクプラウ

ディスクプラウは、円盤を回転させながら土壌の反転を行います。円盤が回転するので土の中の石などの障害物があっても乗り超えられ、機械の破損を防ぐことができます。

3.チゼルプラウ

チゼルプラウはチゼル (刃先) がついた爪を使い、土壌を爪で引っ掻くように耕起します。作業速度が早いのが特徴で、能率的に粗耕起したいときに適しています。

プラウの選び方

プラウは、使用場面やトラクタの馬力によって選ぶことが大切です。土壌を深く耕したい場合や、堆肥や有機物をしっかりすき込みたい場合は、ボトムプラウを使うことによって効率よく正確に作業できます。

ディスクプラウは、反転による乾土効果や切り株の埋戻し効果が高く、水田の荒起し作業に適しています。また、PTO動力で回転させるディスクプラウを使用すれば、けん引力が少なくて済むため、小型トラクタで作業可能です。

チゼルプラウは作業幅が広く、物によっては100馬力以上のトラクタが必要となります。能率よく粗耕起を行い、土壌を乾かしたいときに適しています。

プラウの使い方

プラウは、基本的に圃場を往復して耕していきます。土質や作業速度によって土の返り方が違うため、必要に応じて作業速度や深さなどを変えていく必要があります。

また、耕す前に目標とする耕深を決めておき、深さを調整することをおすすめします。

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