ブームスプレーヤ

ブームスプレーヤとは

ブームスプレーヤとは、大規模な農場に効率よく農薬を散布する農業用の走行型噴霧機です。

棒状のブームと言われる腕をもち、薬剤タンクから農薬を下に散布します。ブームスプレーヤは、トラクター牽引型、トラクター搭載型、自走型の3種類があります。

ブームスプレーヤの使用用途

ブームスプレーヤは、大規模な畑に農薬を効率よく散布し、害虫などの作物の育成を妨げる虫を排除するために使われます。日本では、北海道で見ることができます。

具体的には、キャベツやレタス、大豆、麦などの消毒作業に使用される場合が多いです。そのほか、水のタンクを搭載して、かん水用としても使われています。

ブームスプレイヤーの課題として、散布される農薬が飛散するドリフトと呼ばれる細かな粒子が、人体に悪影響を与えることが挙げられます。2003年に改正された農薬取締法以来、農薬のドリフトを防止するための配慮が必要です。

作物を効率的に生産していくために、畑の大規模化が進んでおり、ブームスレイヤーも大型化されています。大型化に伴い農薬のタンク重量が重くなり、土壌が押しかたまるため、少量でも効果がある農薬の開発が進んでいる状況です。

ブームスプレーヤーの特徴

長所

ブームスプレーヤーを使うことによって、広大な圃場に農薬を効率よく散布することができます。ブームがながければ長いほど散布の能率が良く、大型のブームスプレーヤーになると30mほどのブームの長さになるものもあります。

また、タンクの容量も200Lほどのものから1,000Lを超えるものもあり、農薬や水の補給回数も抑えることが可能です。

短所

1. ドリフトの可能性がある
ドリフトとは、農薬が風などの影響で散布している液剤が飛散してしまうことです。風が強いとドリフトして、隣接している作物などに薬剤がかかり、悪影響が出てしまう恐れがあります。

2. ぬかるんでいる圃場には入れない
ブームスプレーヤーは機械自体の重量の他に、タンクに液剤が入っていると、その分の重量が加算されます。雨が降り続いてぬかるんでいる圃場では、身動きが取れず散布できない可能性があります。

ブームスプレーヤーの種類

ブームスプレーヤーの種類は以下の3種類に分けられます。

1. トラクター牽引型

トラクター牽引型は機体に車輪がついており、トラクターに連結し、牽引しながら散布するタイプです。大容量のタンクを搭載していて、大規模な圃場を散布する際に、一気に散布できるのが特徴です。

2. トラクター搭載型

トラクター搭載型は、トラクターに直装して使用するタイプと、3点リンクヒッチに取り付けるタイプがあります。搭載型のブームスプレーヤーのブームは、左右両側に延長する両ブーム式と、どちらか一方に延長される片ブーム式があります。

3. 自走型

自走型は、専用の車両に散布装置を搭載したもので、トラクターへの付け替えが不要で、操縦することができます。歩行用の小型のものから、30mを超える散布幅を持つものまであります。

ブームスプレーヤーの選び方

ブームスプレーヤーは、圃場や使用目的によって適切な種類を選ぶことが大切です。トラクター搭載型はさまざまなサイズがあるので、自分が持っているトラクターに合わせて選ぶことができます。

また、一般的には、機体バランスが優れている両ブーム式が使われていますが、傾斜地などでは作業性が優れている片ブーム式が使われることも多いです。牽引型は広大な圃場を一気に散布したいときに適しています。

一回の補給で、5,000Lほどをくめる大容量のタンクを搭載しているものもあります。しかし、機械の大型化もあり、牽引するトラクターの馬力が求められます。

自走式はトラクターへの付替えを行わずに、すぐに散布作業ができるのがメリットです。歩行用の小型のものもあるので、大型機械が入れない圃場や小規模な農家の方へもおすすめです。

ブームスプレーヤーの使い方

ブームスプレーヤーの薬剤タンクに水をいれ、薬剤を調合し、散布作業へ入ります。このとき、薬剤を投入した後に噴霧ノズルを閉じているのを確認してからポンプを動かし、撹拌させることが大切です。

薬剤の溶け残りがあると、希釈割合が変わってしまいます。薬剤の使用は指示されている取り扱い手順及び使用方法を守って使いましょう。作業終了後は、残っている薬液を排出し、タンク内を水で洗浄してください。薬液が残っていると、つまりなどの原因になります。

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