バーンクリーナ

バーンクリーナとは

バーンクリーナとは、牛や豚を育てる畜産業で使用される機械です。

牛舎や豚舎内で、ふん尿溝に排出されたふん尿や通路に排出されたふん尿、汚れたワラなどの敷料を畜舎の外に出すコンベアーです。バーンクリーナの構造は、動力となるモーターにチェーンやワイヤーがついており、そのチェーンやワイヤーが畜舎内を輪をえがくように通っています。

そのため、動くときは一部ではなく全体で動くのが特徴です。バーンクリーナが開発される前は、牛舎や豚舎内のふん尿や汚れた敷料などを人の手作業で畜舎の外へと出しており、力作業が多く牛や豚の飼育頭数にも限界がありました。バーンクリーナにより、ふん尿や敷料などの処理が機械化されたため、仕事の効率化と力作業の軽減につながり、少人数でも多い頭数の牛や豚の飼育をすることが可能になっています。

飼育される牛や豚が多くなり、牛肉や豚肉、牛乳などが、安価に購入する事ができるようになりました。バーンクリーナの導入は、これからも生産者が安定的に牛肉や豚肉、牛乳を生産し、消費者に届けるという重要な役割も担っています。

バーンクリーナの使用用途

バーンクリーナは牛舎や豚舎内のふん尿や汚れた敷物を畜舎の外に自動的に出し、畜舎をきれいに保つために使用されます。搬出されたふん尿は、ふん尿集積所に集められて処理されたり、堆肥などに加工されます。

畜舎内のふん尿の処理は、必ず行わなければならない作業です。この作業をしないと畜舎内の衛生状態が保てず、畜舎内で病気が蔓延する可能性が高くなります。家畜動物が病気にかかってしまうと、肉や乳の生産量が減ったり、出荷物の品質の低下などにつながります。

また、家畜動物の病気には、牛の炭疽病や豚の豚丹毒病など家畜動物だけではなく人にも感染する人獣共通感染症があります。畜舎内の衛生状態が悪いことで人獣共通感染症の病気を引き起こしてしまうと、自分の農場だけではなく周辺地域や周辺に住んでいる方に大きな影響がでてしまうため、畜舎内を衛生的に保つことは畜産業にとって非常に重要です。

バーンクリーナの特徴

長所

  • ふん尿処理を機械化することで、作業の効率化につながります。
  • 畜舎内の衛生環境を良い状態で保つことができます。
  • 様々な畜舎の長さや構造に合わせて設置することができます。

短所

  • 導入にコストがかかります。
  • 機械ですので故障することもあり、日々のメンテナンスが必要です。

バーンクリーナの原理

バーンクリーナは、まず電気を動力にモーターが動き、その後モーターに連動しているチェーンやワイヤーが動きます。このチェーンやワイヤーはモーターに接続されていて、畜舎を一回りして再度モーターに接続するように張ってあります。これにより、重いふん尿を運ぶ際の負荷を一部分にかけず、全体に分散しながら運転することが可能です。

そして、チェーンやワイヤーにはふん尿を運ぶコンベアやふんをかき出す羽 (スクレーパー) がついています。コンベアやスクレーパーでふん尿を運ぶルートの終点地点や一部が畜舎外につながっていたり、ふん尿の収集場所になっていたりするため、一度の運転でふん尿を集めて捨てることができます。

バーンクリーナの種類

1. チェーン式

チェーン式のバーンクリーナは、アングルバトルと言われるハケのようなものをコンベアのチェーンに設置し、畜舎内のふん尿溝内を回るタイプです。ふん尿をハケでかいて集め、コンベアで運ぶような仕組みになっています。

日本では、主にチェーン式が使用されています。チェーン式はエレベータや旋回部を畜舎の形に合わせて配置可能で、汚れた敷料を運搬車に直接乗せるのに適していることが特徴です。

2. スクレーパー式

スクレーパー式は、畜舎内の通路や通路下にあるワイヤーに設置してあるスクレーパーの往復運動でふん尿を集める仕組みになっています。往復運動でふん尿をかき出す方向と逆方向に進むときはスクレーパーの角度が上がりふん尿を逆方向に押し戻さないようになっています。スクレーパー式は、畜舎の構造が50m以下などの短い一列の場合に適しています。

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