ヨット

ヨットとは

ヨット

ヨットとは、帆がついた船やエンジンを積んだ船で居住空間を備えた比較的大型の船のことです。

主にレジャー、遊び、スポーツなどに使用可能です。海外でヨットと呼ばれる船は日本でクルーザーと呼ばれています。

ヨットの条件は3つあります。

  1. 外洋を巡行できるように居住空間を備えていること
  2. レジャーやスポーツで使うための船舶であること
  3. 20メートル前後 (60~80フィート) 以上の長さであること

寝室、台所、リビングダイニング、トイレ、シャワーなどを備えた豪華な船で、作業船、客船、貨物船など働く船ではない大型のものもヨットと呼ばれます。ヨットよりも小さい船はボートと呼ばれ、働く船はシップと呼ばれます。

ヨットの使用用途

ヨットの主な使用方法は、レジャーと競技です。ヨットでの航海そのものを楽しむのがクルージングです。数時間のクルーズから数日〜数ヶ月におよぶものまであります。美しい景色の入江などにイカリを降ろして停泊し、船上パーティやシュノーケリングなどを楽しむのがアンカリングで非日常を味わえます。

複数の帆がある帆船を使って速さを競うセーリングは、ヨットレースと呼ばれるスポーツ競技です。岸に近い場所で行うオフショアレースから、太平洋横断などの長距離のロングディスタンスレースまであります。150年以上の歴史があるアメリカンカップが有名です。

居住空間やダイニングがあるタイプなら、マリーナにヨット停泊しキャンピングカーのように料理して楽しんだり、パーティーなどもできます。また船を別荘代わりにしたり、岸辺を接舷し住居として使っている国もあります。

ヨットの原理

ヨットを代表とする帆走船は風の力を利用して動くため、風上に進めません。ただし、風位に対して最大45°程の角度であれば進めるため、風上にはジグザグに進めます。帆走ポーラー線図は性能を表す指標の1つです。風上方向と進行方向の間を形成する角度や風速と理論帆走速度の比を表します。

帆の近くを流れる風の影響で、船の斜め前方に揚力が生じます。進行方向に垂直な向きの揚力をキールやセンターボードで打ち消すと、進行方向への推進力を生成可能です。セールに生じる揚力だけでなく、リーウェイするキールへの水流の角度によって前へ進む力が生み出されます。

ヨットの構造

ヨットには多種多様な形状やサイズがあり、主にクルーザーとディンギーに分類可能です。

1. クルーザー

クルーザーは船室を有し、人が寝泊まり可能な設備があります。多くのクルーザーは固定したキールで艇体の横流れを防止可能です。キールの下端には金属の重りがあり、船が横転した場合にも元に戻る構造になっています。

2. ディンギー

ディンギーとは船室を持たない小型のヨットのことです。一般的に1〜2人で操ります。艇体の横流れにはセンターボードで調節可能です。操る人の体重でヒールを制御し、乗り手によってよく反応します。

ヨットの種類

クルーザーはスループとケッチに、ディンギーはガフ・リグ、キャット・リグ、スループ・リグに分けられます。

1. スループ

クルーザーのスループはサイズの異なる数枚のジブを用い、風の強さで使い分けます。風の強さでメインセイルのサイズも変更可能です。

2. ケッチ

メイン・マストの後方にはミズン・マストがあり、メインセイルよりも小さいセイルを展開しています。

3. ガフ・リグ

低いマストにガフで変四角形のメインセイル上部を吊っています。古い種類のリグですが、今でもOPクラス・ディンギーはジュニアの練習用として使用しています。

4. キャット・リグ

マスト1本とセイル1枚のみを揚げます。シンプルな艤装で1人でも操作可能です。

5. スループ・リグ

マスト1本に対してメインとジブのセイル2枚を揚げます。艤装が多く、通常は2人で乗ります。前方にジブを展開し、空気力学的にスロットル効果が生じ、風を効率的にメインセイルに与えると速く移動可能です。

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