圧力計

圧力計とは

圧力計

圧力計は、空気や水などの流体の圧力を測定する装置です。

主に圧力計内部の弾性体が圧力によって変形した量を測定することによって、圧力を測定します。変形した量を測定する方法としては、様々な原理が開発されており、ブルドン管式やダイヤフラム式、ベローズ式などがあります。

圧力は定圧力や変動圧力、脈動圧力などの種類があり、ゼロ点の取り方によって、絶対圧、ゲージ圧、差圧があるので、測定対象の圧力の種類や圧力計が出力する圧力計の表示方法に注意して、適切な圧力計を選定する必要があります。

ちなみに、正のゲージ圧を測定するものを圧力計と呼び、負のゲージ圧を測定するものを真空計と呼びます。 

圧力計の使用用途

圧力計は、工場やプラントのパイプ、住宅などにおける圧力がかかる装置で使用されます。圧力計を動作させる環境や隙間に応じて、適切に選定する必要があります。

圧力計の使用例を以下に示します。

  • 工場内の蒸気生成用のボイラーの蒸気量の確認
  • 飲食店の炭酸生成用の炭酸ガスタンクの残量の確認
  • コンプレッサの圧力測定

圧力計の原理

圧力計は基本的に受圧素子と呼ばれる弾性体の変形量を読み取ることで圧力を計測します。受圧素子の種類によりブルドン管式、ダイヤフラム式、ベローズ式があり、それぞれの原理について説明します。

1. ブルドン管式

ブルドン管式圧力計の原理

図1. ブルドン管式圧力計の原理

ブルドン管と呼ばれる金属パイプに圧力をかけると、ブルドン管が圧力に応じて変位します。その変位量を測定することによって圧力を測定する圧力計がブルドン管式圧力計です。電気などの外部のエネルギーが必要なく圧力を測定することができます。また、ブルドン管式はさらに細かく汎用型、一般型、小型、密閉型、グリセリン圧入型などに分類できます。 ブルドン管式は広く使用されていますが、管径が小さいため高粘性流体や固形物を含む場合はそのまま使用はできません。

2. ダイヤフラム式

ダイヤフラム式圧力計の原理

図2. ダイヤフラム式圧力計の原理

圧力によって抵抗値が変化する素子を用いて、ダイヤフラムを通じて圧力を電気信号に変換することによって、圧力を測定する圧力計がダイヤフラム式圧力計です。素子に半導体やひずみゲージ、薄膜を使用するかで、長寿命や耐熱性などの特徴が変わります。電気信号で測定するため、高精度の圧力測定が可能です。また、腐食性の流体や高粘性の流体にはダイヤフラム式が適しています。

3. ベローズ式

ベローズ式圧力計の原理

図3. ベローズ式圧力計の原理

ベローズ式圧力計は、ベローズ状の外側にひだのついた円筒が圧力を受けて変位した量を、圧力量に変換することで圧力を測定します。ベローズ管式は圧力に対する感度が高いため、比較的低い圧力の測定に適しています。

圧力計の選び方

使用用途によって様々な圧力計が市販されています。選定方法をいくつか示します。

  • ゲージ圧表記か、絶対圧表記か
  • 通常私たちは約0.1MPaの大気圧の下で生活しています。大気圧のかかった状態を0Paとして測定した圧力をゲージ圧力、真空状態を0Paとして測定した圧力を絶対圧力と呼びます。ゲージ圧はPaG、絶対圧はPaAと表記されることもあります。
  • 使用する圧力の範囲
  • 圧力計が耐えられる最大圧力と最小圧力、大気圧以下の圧力~真空状態を測定するか
  • 圧力計の測定方式
  • プルドン菅式、ダイヤフラム式など、方式によって使用できる流体の種類、圧力の範囲、精度などがある程度決まってきます。
  • 求める測定精度
  • 圧力計のサイズ
  • すでに圧力計取付用の枝管などがある場合、接続継ぎ手の種類や本体の取り付け方法

圧力計のその他情報

圧力計の使い方

圧力計は、圧力を測定したい流体が流れている配管に取り付けて使用します。 アナログ計の場合は、他の針式のアナログ計測器と同様、目盛りの正面からまっすぐに針の位置を読み取ります。 デジタル計や圧力センサの場合には直接指示値を読み取ります。

圧力計は一般的に配管などに直接接続して使用します。このことに起因する、取り扱い上の留意点があります。 圧力計に不具合がある場合など、不用意に取り外すと流体が漏れてしまったり、流体漏れによって負傷したりする可能性があります。取り外し等の際は、配管中の圧力を下げておく必要があります。 また、取り外した後にも配管や圧力計の内部に流体が残っていたり、その流体が取り外した際に少量漏れ出たりすることがあります。測定している流体によってはこれらの扱いに注意が必要です。

圧力計を取り付けるために配管を分岐させたり、測定用の枝管を取り付けたりするようなケースが多くあります。 こういった流体を扱う配管を含んだ設備や機械を新規に設計・製造する際には、あらかじめ圧力計用の分岐菅を取り付けておく(すぐに使用しないならばふさいでおけばよい)と、後々、設備や機械を止めて圧力計を接続する際に、作業が最小限に抑えられます。

参考文献
https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=23992&item_no=1&attribute_id=19&file_no=1
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kikai1938/26/168/26_168_1062/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kikaic1979/68/665/68_665_181/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjtp1987/9/2/9_2_118/_pdf/-char/ja

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