勾配計とは
勾配計は傾斜計とも呼ばれ、水平器とよく似ています。この水平器という名称を聞いたことがある方も多いかと思いますが、勾配計は水平面に対してどれだけ傾いているか角度を測る器具であり、屋根や坂など傾斜面を測定する際に使用します。水平器は工具箱に一つ入っている場合をよく見かけますが、勾配計を持っているのは大工さんや装置類の据え付けを行うサービスエンジニアなど本業の方が多いです。
勾配計には安価で一般的に広く使用されている気泡管を用いた勾配計や専門家が用いるようなレーザーを利用して精密な測定を行う形式の勾配計があります。
勾配計の使用用途
勾配計は傾斜がある面の角度を求める際に使用されており、建築現場でよく使用されています。他にも土木や測量の際にも用いられ、最近では個人でも使用する機会が多くなりました。
鉄骨の構造物の勾配を測定する際には裏面にマグネットが付いているタイプが使用され、磁石で鉄筋にくっつけて滑らないように固定しますので大変便利です。
気泡管タイプは気泡の位置で調べますが気泡の位置を目で見て読み取りますので精密という点では劣っており、精密な調査が必要な際はレーザータイプが使用されます。
勾配計の原理
気泡管ですが、土台に緑色の蛍光塗料などの入った液体と少量の気泡が入った円筒形の小さなガラス管を言います。この管が重力に対して垂直に置かれると、気泡は管の中央部に移動して停止します。この中央部に気泡がある状態が地面に対して水平とみなされます。この気泡管が立方体状の土台に水平に固定され水平面を測定する器具が水平器であり水平かどうか、つまり地面に対して180°かどうかのみ測れます。
勾配計はこの原理を利用して勾配計を傾斜物に載せて気泡管を回転させます。すると気泡は真上に行こうと動き出します。この気泡が管の中央部に来るように気泡管の傾きを調整してあげることで傾斜物の角度を測ることができます。気泡管には標線と呼ばれる基準線が複数引かれており、気泡の位置と基準線の位置を見ながら気泡が基準線の内側に来るように微調整が行われます。
以上は気泡管を回転させて測定するタイプの説明ですが、気泡管を回転させずに読み取るタイプもあります。