電流ロガー

電流ロガーとは

電流ロガーとは、電流値を測定しつつ記録する装置です。電流ロガーは製品として測定機器メーカーなどから販売されており、電流を測定表示しながらメモリに記憶していきます。

電流の単位はA(アンペア)やmA(ミリアンペア)が主に使用され、インターフェイス用のパネルに表示されます。製品によってはサンプリングレートの選定が可能で、100回/秒(100Hz)程度の高いサンプリングレートを持つ製品も存在します。様々な種類の電力ロガーが販売されており、求める測定精度によって適切な測定器を選定する必要性があります。

電流ロガーの使用用途

電流ロガーは主に電流測定のために使用される測定器です。ハンディタイプのロガーも販売されており、ほとんどの場合は持ち運んで使用されます。

  • パソコン修理における通電確認
  • 基板実装における半導体素子の取り付け前チェック
  • 生産設備の保守メンテナンス
  • 電気工事の試運転確認
  • 生産機械管理のための一時的な測定
  • リチウムイオン電池のセル単位でのモニタリング

電流ロガーの原理

一般に電流ロガーはクランプ部、伝送配線、インターフェイスパネル、記録媒体などの部位に分かれます。クランプ部の原理は変流器と同じです。主要部は手で開閉できる円弧状鉄心です。一次巻線として測定電路を挟み、二次巻線である電送配線に電流を流します。

電送配線は一般的な線で、ビニル等の被覆に覆われています。先端に専用の接続プラグが付いたものや、ロガーに直接引き込まれているものがあります。インターフェイスパネルを介して測定値の確認や設定を行います。

サンプリングレートや記録様式等もこのパネルで設定できる装置もあります。レートを上げると細かに記録できますが、長期記録を保存できなくなります。記録媒体には測定結果を随時書き込まれ、保存されます。

記録メディアにはUSBフラッシュメモリやSDカードが使用されます。出力形式はCSVやtxtファイルが使用されることが多いです。上記のクランプ部では、AC電源のみ測定可能です。

DC電源の測定にはホール効果を利用したホール素子などが用いられます。ホール効果とは、電流が流れる導体に磁場を垂直に発生させると、起電力が発生する原理です。ホール素子はこのホール効果を利用して、電流の周囲に発生する磁場を電圧へ変換する素子です。

また、精密な電流値を測定したい場合は、シャント抵抗を用いた電流ロガーを用いることもあります。シャント抵抗とは低抵抗の抵抗器で、測定回路に直列にシャント抵抗を挿入して使用します。シャント抵抗の両端の電圧を測定することで電流を計算します。

ホール素子や変流器は回路に通電したまま電流測定可能ですが、シャント抵抗は測定回路を一度開路する必要があります。汎用性が高いため、一般にはホール素子や変流器を検知部に使用する電流ロガーが使用されます。電流の単位はA(アンペア)です。測定時の単位としては、kA(キロアンペア)、A(アンペア)、mA(ミリアンペア)などが使用されます。

電流ロガーはアナログ信号を入力データとして用いるため、ノイズによって測定結果が正確ではなくなることがあります。検出精度を向上させるためには、ノイズが乗らないように配線経路のノイズ除去を行うなどの対応が重要となります。

電流ロガーのその他情報

電流ロガーの由来

ログ(log)とは日々の記録のことを意味する英語で、記録を保存する物をロガー(logger)と呼びます。例えば、ブログはWeb log の略でWeb上に日記を記すことを意味します。このように、電流ロガーは電流を記録する物を指します。

参考文献
https://www.hioki.co.jp/jp/products/listUse/?category=31

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