エアインパクトレンチ

エアインパクトレンチとはエアインパクトレンチ

エアインパクトレンチとは、ボルトやナットを締結する、あるいは緩めるために使用されるインパクトレンチのうち、圧縮空気により駆動する工具です。

エアインパクトレンチの駆動源は外部から供給される圧縮空気であるため、同じサイズの電動のインパクトレンチと比較して大きなパワーを発揮できるのが特徴です。

エアインパクトレンチを使用することで、一定の力で素早くネジやナットの締結を行えます。作業の効率化や組み立て品質の均一化が実現可能です。

エアインパクトレンチの使用用途

エアインパクトレンチは、ネジやナットを締結するために使用されます。特に自動車の組み立てラインに代表される組み立て工場では、いかに短時間で組み立てを完了できるかが生産能力に直結するため、小型で扱いやすく瞬時に締結作業を完了できるエアインパクトレンチが重用されています。

また、これらの工場では各種生産設備のためのユーティリティとして、コンプレッサから圧縮空気が工場全体に供給されているため、新たな動力源を用意しなくてもポートを接続するだけでエアインパクトレンチの使用が可能です。

エアインパクトレンチの原理

エアインパクトレンチの内部は、圧縮空気を回転力に変換するエアモーターと、エアモーターに接続されたハンマー、出力回転部にあたるアンビルの3点構成です。締結するネジの形状やサイズに応じたソケットと呼ばれる工具をアンビルに取り付けて使用します。

入力ポートを圧縮空気と接続しスイッチを握ると、圧縮空気によってエアモーターとハンマーが勢いよく回転します。ハンマーは一定の回転量でアンビルに設けられた突起と衝突しますが、衝突後もハンマーはアンビルよりも高速で回転し続けることが可能です。

ハンマーは繰り返しアンビルに衝突するため、この衝撃力でネジやナットが締め付けられます。

エアインパクトレンチの選び方

エアインパクトレンチを選ぶ際に気をつけるポイントは、以下の4点です。

  1. 本体の形状
  2. 最大トルクや最大締結能力
  3. ソケットの差し込み角 (角ドライブ) 
  4. 空気消費量や使用空気圧

エアインパクトレンチは機種によって発揮される最大トルクや最大締結能力、空気消費量などが異なるため、使用するネジの径や供給される圧縮空気の最大流量に応じて適切な機種を選定する必要があります。

1. 本体の形状

ピストルタイプ
もっとも一般的なのがピストルタイプです。電動ドリルと同じような握りやすいグリップで、幅広い作業に対応できます。種類が豊富なため、ニーズに合わせた機種を選べます。

Dハンドルタイプ
Dハンドルタイプは、大型車両や機械の整備によく使われます。グリップがD型になっており、さらにサイドにもグリップが付いています。両手でしっかりと握れるため、高トルクでも安定した作業が可能です。

ストレートタイプ
製造業の組み立て工程などで多く使用されているのがストレートタイプです。作業対象に合わせて、持ち方を縦方向でも、横方向でも自由に変えられる特徴があります。

アングル (コーナー) タイプ
アングル (コーナー) タイプは、狭いところや奥まったところにあるネジでも対応できます。車やバイクの整備のほか、農機具の爪交換などにもよく使われます。

2. 最大トルクや最大締結能力

エアインパクトレンチは、小型のものから大型のものまで性能に幅があります。作業対象に要求されるトルクやネジの大きさに適合する製品を選ぶことが必要です。小さすぎるのはもちろん、大きすぎてもいけません。

3. ソケットの差し込み角 (角ドライブ)

本体に装着するソケットの差し込み角 (角ドライブ) は、9.5sq、12.7sq、19.0sq、25.4sq、38.0sqの5サイズがあります。それぞれ適合するネジの範囲が異なるため、選定の際は注意が必要です。

4. 空気消費量

エアインパクトレンチは、適切な圧縮空気を供給しなければ、正しく性能を発揮できません。コンプレッサーの能力と、製品の空気消費量や使用空気圧が合っているか確認する必要があります。

参考文献
https://www.bildy.jp/mag/airimpactwrench-guide/#99Nm
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/454/
https://ktc.jp/facebook/771

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