スプルーブッシュ

スプルーブッシュとは

スプルーブッシュとは金型に装着する円筒状の部品です。「スプルー」とは成型機のノズルから射出された溶解した樹脂(プラスチック)を金型まで運ぶ経路(湯道)を意味する単語です。このスプルーを形成するためにスプルーブッシュが用いられます。

このパーツはテーパと呼ばれるものが装着されたスプルー穴と、射出成型機ノズル同士を密接に装着するのに適した台座から成立しています。金型で樹脂を成型する際に非常に重要なパーツの一つです。

スプルーブッシュの使用用途

スプルーブッシュは樹脂を溶解させて金型で加工する際に必要不可欠な部品です。この部品を用いる加工品のサイズは小さいものから大きいものまで多様であり、厚みも薄いものから厚いものまで多彩です。様々な場面でこのパーツは用いられており、材質も金属製のものから耐久性が高いダイヤモンド製のもの、さらには特殊加工された樹脂製のものもあります。用途に応じて適したスプルーブッシュが使用されます。

スプルーブッシュの原理

樹脂の成型品は射出成形機から金型へプラスチックの樹脂を送ることで製品を作ります。この金型には樹脂が通過する経路があり、スプルー、次にランナー、そしてゲートの順番に樹脂は流れ込んでいきます。スプルーの断面は円状の形をしており、側面は傾斜になっています。次に通過するランナーは、樹脂が一気に流れ込む重要な経路であるため、成型品に合ったちょうど良い太さにすることが求められます。また成型品が複数の場合は樹脂が分岐して流れるので樹脂が均等に流れるように配置する必要があります。最後に通過するゲートは成型品への入り口であり、ここではプラスチックの樹脂が流れ込む速度が非常に重要となっています。

スプルーブッシュの中では溶解した樹脂が何十万回も通過して、内部で凝固が繰り返されるためこのパーツは優れた耐摩耗性、良好な面粗度が求められます。また、スプルーブッシュの入口の半径はノズル先端の半径よりも 1~2mm程度大きめに、スプルーの入口の径はノズル径よりも 0.5~1.0mm程度大きめにする必要があります。もし大きさが不十分な場合は溶解した樹脂が洩れてスプルーブッシュの引き抜きが困難になってしまいます。

参考文献
https://www.tenmacorp.co.jp/lab/glossary/words/373005.html
http://www.yamaken-kogyo.com/sprue/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です