サンドポンプとは
サンドポンプとは、主に工事現場や河川の工事などで使用され、ヘドロや砂利などを吸い上げる際に使用されるポンプです。
通常のポンプでヘドロや砂利などを吸い込めば目詰まりを起こしてしまいますが、サンドポンプには目詰まりを自動で防止してくれる機能が付いているため、ヘドロや砂利などの不純物が多い箇所でも安心して使用することができます。不純物を吸い込んだ際に壊れてしまわないよう、通常のポンプより頑強な作りになっているものが主流です。
サンドポンプの使用用途
1. 鉱業・採掘業
鉱石や鉱物を採掘する際に、土砂や砂利が混ざっていることがあります。サンドポンプは、これらの固形粒子を含むスラリーをポンプできるため、鉱石や鉱物の移送や処理に使用されます。
2. 建設業
建設現場では、基礎の埋設や排水作業で大量の土砂や砂利が発生します。サンドポンプは、これらの固形粒子を含む水や液体を効率的に排水したり、移送したりするために活用されます。
3. 海洋工学
海底の土砂や岩盤の除去や、堤防や埠頭の建設時にもサンドポンプが使用されます。海底のスラリーをポンプすることで、海底工事の効率化が図られます。
4. 石油・ガス業界
石油やガスの掘削作業において、穴の中に発生するスラリーを排出するのにサンドポンプが活用されます。また、井戸内での固形粒子の処理にも使用されることがあります。
5. 環境工学
河川や湖沼の浚渫作業や、汚染土壌の浄化作業においても、サンドポンプが使用されます。固形粒子を液体と一緒に吸い上げ、処理場へ移送する役割を果たします。
6. 農業
農業では、水や液体の移送や排水が必要な場面があります。特に、灌漑や排水用途で、サンドポンプが使用されることがあります。
7. 産業用途
一般的な産業プロセスにおいても、固形粒子を含む液体の移送が必要な場合があります。サンドポンプは、そのような場面で使用され、生産効率の向上に寄与します。
サンドポンプの原理
1. 吸引
サンドポンプは、ポンプの内部に設置された特殊なデザインの入口を通じてスラリーを吸い上げます。この際、ポンプ内部の空間が負圧状態になり、周囲の液体と固体が吸引される仕組みです。
2. 運動の転送
吸い上げたスラリーは、ポンプの中で運動を転送されます。この運動の転送は、ポンプ内部の部品やメカニズムによって行われ、ポンプ内部の運動によって、吸い上げたスラリーが前進方向へと移動します。
3. 排出
スラリーがポンプ内部で前進した後、特定の出口から排出されます。この際、排出口付近の圧力が変化しスラリーが外部へ移動し、排出されるスラリーは、目的地へと送られます。
4. ポンプの特殊設計
サンドポンプは、固形粒子を効率的に処理するために特別に設計されています。内部構造やポンプの部品は、スラリーの通過や固体の堆積に対して耐久性を持つように工夫されています。
5. エネルギー供給
サンドポンプには、エネルギー供給源が必要です。電気モーターやエンジンによって駆動されることが一般的であり、これによってポンプ内部の運動や圧力変化が生み出されます。
サンドポンプの種類
1. エジェクターポンプ
エジェクターポンプは、ジェット水流を使用してスラリーを吸引・排出するポンプです。液体を高速で噴射することで負圧を発生させ、スラリーを吸引します。簡潔な構造でありながら効率的な運転が可能です。
2. シリンジポンプ
シリンジポンプは、シリンジの動きを通じてスラリーを吸い上げ排出するポンプです。精密な液体制御が必要な場合に適しており、微小な流量調整が可能です。医療分野や研究室で使用されることが多いです。
3. 真空ポンプ
真空ポンプは、真空状態を利用してスラリーを吸引するポンプです。真空を発生させることで、液体と固体を効率的に吸引できます。高い吸引力を持ち、幅広い用途に適しています。
4. シーダンポンプ
シーダンポンプは、スラリーを容器から吸い上げる際に使用される手動ポンプです。シリンダーとピストンの動きによってスラリーを吸引し、排出します。簡単な操作であるため、屋外作業などで利用されます。
5. シュロップポンプ
シュロップポンプは、スラリーを吸引する際に水の流れを利用するポンプです。水流がスラリーを吸引し、専用の管を通じて排出します。水流を利用するため、エネルギー効率が高いです。
参考文献
http://www.kurimoto.co.jp/technology/data/68/tr68-info01.pdf
http://www.elepon.com/_jp_structure.html