浄化剤

浄化剤とは

浄化剤のイメージ

図1. 浄化剤のイメージ

浄化剤とは、土壌や水質などを浄化する薬剤の総称です。

特に水に対して用いる浄化剤に凝集剤があります。凝集剤を汚濁した原水に対して使用すると汚染物質を集めて固め、水と汚染物質とを分離することが可能です。

このような浄化剤は、きれいな水質の水を得ることに役立てられています。

水質浄化のイメージ

図2. 水質浄化のイメージ

浄化剤の使用用途

水質浄化剤は河川の浄化、工業廃水や農業廃水、産業用水の浄化、畜産や水産の養殖場などにおける水質の改善を目的として使用されている物質です。特に、工業排水などでは重金属の粉末や有機物などの汚染物質を除去する目的で使用されます。その他、悪臭の防止などの目的でも使用されている製品です。

土壌浄化剤には農薬、PCB、ダイオキシン、重金属などの有害物質を吸着して浄化するものや、土中にいる微生物を活性化して汚濁を分解したり植物に良い栄養素を作り出したりするものなどがあります。

浄化剤の原理

浄化剤が汚染物質を浄化する方法は、製品によって多種多様です。それぞれ、微生物の効果や化学反応、炭などの性質を利用しています。

1. 凝集剤

凝集剤による凝集のイメージ

図3. 凝集剤による凝集のイメージ

凝集剤は、水中に浮遊するコロイド粒子を凝集させる効果のある物質です。凝集剤による水質浄化処理は、大きく下記の2工程に分かれています。

  1. 基礎フロックと呼ばれる微細なフロックを析出させる凝結反応
  2. 基礎フロックを成長させて粗大化する凝集反応

自然界に存在する微細粒子は一般に負電荷を帯びているため、一般に凝集剤として用いられる物質はプラスの電荷を帯びている物質です。具体的には、アルミニウム塩や塩化鉄ポリ鉄などの無機凝集剤です。凝集剤を添加すると荷電が中和されて凝結し、基礎フロックと呼ばれる小さい塊が生じます。

フロックの粗大化において、排水処理では凝集助剤 (ポリマー) を使用しますが、用水処理においては主にポリ塩化アルミニウム (PAC) を使用します。用水処理には基本的に高分子凝集剤は使用しません。これは、高分子凝集剤が残存した場合、イオン交換装置や逆浸透膜装置の有機物汚染を引き起こす可能性があるためです。汚濁物質の沈降を促した後、固液分離によって綺麗な水が得られます。

2. 多孔質・キレート剤

ゼオライトや多孔性を持つ炭などには有害物質、貴金属や悪臭の元となる物質を吸着する効果があります。また、人工ゼオライトは高い陽イオン交換機能をもっており、酸性を中和する土壌改良や汚水・排水中のアンモニウムイオンの除去などが可能です。肥料の保持力が強いため、土壌浄化剤として用いると農作物の育成向上や高付加作物の育成に効果が期待できます。

キレート剤を用いる方法では、水溶液中の金属イオンをキレート剤と反応させ、水に不溶な錯体を形成することで除去を図ります。重金属と選択的に結合するキレート剤を用いることにより、水銀、カドミウム、鉛、クロムなどを除去することが可能です。

3. 微生物

好気性微生物を利用して、水中や土着の微生物の力でVOCなどの有機物を吸収分解する方法もあります。天然ミネラルなど、微生物の分解作用を活性化させる物質や微生物製剤などが該当します。化学物質を使わないことから自然環境にも無害でクリーンな方法です。

浄化剤の種類

浄化剤の種類には、以下のようなものがあります。

  • 凝集反応によって汚濁の原因となっている物質を沈殿させる凝集剤
  • 有害物質を吸着する多孔質物質
  • 微生物を活性化して汚濁の原因となっている物質の分解を促進するもの

それぞれの方法で原理や浄化できる汚濁の種類が異なるため、目的に合わせたものを選択することが必要です。また、水質浄化は、排水浄化と用水浄化とで、利用するべき浄化方法が異なります。剤形も粉状、粒状、ゲル状などがあるため、最適なものを選択することが重要です。

参考文献
http://www.poly-glu.com/product_information/index1.htm
https://www.kankyo-business.jp/column/002301.php
https://www.nihonsafety.com/products/chelatemarine/

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