圧縮スプリングとは
圧縮スプリングとは、外部から力を加えて圧縮することにより内部に力を蓄えるばねです。圧縮ばねや圧縮コイルばねと呼ばれることもあります。内部のエネルギーは反発力(復元力)として作用するため、加えた力を解除することにより、ばねは元の長さに戻ります。
圧縮するだけで内部にエネルギーを貯めることができる点、衝撃を吸収できる点、繰り返し使用できる点などから、自動車や日用品など様々な用途で数多くの機械に使用されています。
圧縮スプリングの使用用途
圧縮スプリングは、主に反発力により元の長さに戻ろうとする機能と、変形してエネルギーを蓄えることにより衝撃や振動を吸収する機能の2つが利用されます。
反発力を利用した製品としては、2回クリックすると芯が収納されるボールペンや手を離すと元の位置に戻る押しボタン、使用すると芯が自動的に供給されるホッチキスなどに使用されています。
衝撃吸収の使用例としては、自動車の揺れを軽減するサスペンションがあります。
圧縮スプリングの特徴
圧縮スプリングは、コイル状に巻かれた線材が塑性変形することによってその弾性エネルギーが反発力として作用します。したがって反発力の大きさは圧縮変位に比例し、反発力を圧縮変位で割った値をばね定数といいます。線材の径を大きくするとばね定数も大きくなり、幅広いばね定数の圧縮スプリングが生産されています。
ばね定数は圧縮スプリングの特性を示す値であるため、圧縮スプリングを選定する際にはこのばね定数とばねの長さが重要視されます。
反発力として使用する場合には、設計あるいは予想される変位と発生させたい反発力からばね定数を見積もります。
衝撃吸収に使用する場合には、設計上受け止められる変位の長さと想定される瞬間荷重からばね定数を決定します。また、システム全体の固有振動数が外部から加えられる周期的な力の振動数と一致しないようにする(共振しにくくする)ことも重量です。衝撃吸収の用途としては、圧縮スプリングは振動を吸収するダンパと組み合わされる事例が多くあります。
参考文献
https://www.monotaro.com/s/pages/readingseries/kikaikiso_0304/
https://www.samini.co.jp/engineer/jirei.html