雨水利用システム

雨水利用システムとは

雨水利用システム

雨水利用システムは、雨水を貯留し、利用するシステムのことです。大雨が降った際に雨水をそのまま流すのではなく一時的に貯留し利用することで、雨水が一気に河川や下水道に流れ込むのを防ぎ、水害を軽減することができます。

大規模な雨水利用システムを導入する場合は、取水する場所や利用用途によってシステムや設備が変わってきますので、事前の計画が重要です。

雨水利用システムによって雨水を効率的に利用することは節水につながります。工場や商業施設、一般家庭では経済的な面でのメリットもあります。また、近年話題になっているSDGsの項目に、水に関する事柄や持続可能な社会の構築も含まれますので、SDGsの達成に貢献することができます。

雨水利用システムを導入することは地域的なメリットがあり、システムの規模等により自治体によっては補助金が出る場合があります。また、かなりの数の公共の建物には雨水利用システムが導入されています。

雨水利用システムの使用用途

雨水利用システムは雨水を一時的に貯留するので、大雨が降った際の水害の防止に役立ちます。また、貯留した雨水は生活排水やトイレの水などに利用できるので、工場や商業施設などで水を多く利用している場合は、かなりの量を節水することができます。

一般家庭で雨水利用システムを導入する場合も同様の効果がありますが、基本的に飲用や体が触れる場所に利用することは推奨されていません。オゾン塩素による処理が可能なユニットを取り付けて飲用可能とする場合はあります。

また、雨水を貯留しておくことで、日照りが続いて農作物に影響が出る前に、貯留した雨水を散布することができます。他にも真夏に水の蒸散作用を利用した打ち水をするために、道路に散布する場合もあります。地震などの災害時に、非常用の水として利用することもできるため、雨水利用システムを導入するメリットは大きいといえます。

雨水利用システムの種類

雨水利用システムは、一般住宅で利用される規模のものから、大規模なものまでさまざまです。業者に委託する場合が多く、相談しながら適切な設備を選択しシステムを導入します。

一般住宅においては、屋根に降った雨水を雨どいから貯留するタンクや貯留槽につなぎ、加圧ポンプをつけてトイレ等の配管につなぎます。加圧ポンプを取り付けることで通常の水洗トイレのように利用できるようになります。ポンプがない場合は自分でタンクから雨水を取り出して散布したりします。タンクは、住宅の横に付ける簡易的なものもありますが、貯留槽として地下に埋め込むこともできます。

また、大規模な雨水利用システムにおいても、建物の屋上から雨どいを通して取水します。取水した雨水には泥やごみが含まれているので、フィルターを通し、ろ過した雨水を貯留槽に流します。大規模なシステムの場合は、貯留する雨水の量が多く求められるので、貯留槽は地下に埋め込まれていることが多いです。

貯留した雨水は防火用水やそのままビルの屋上の庭園などに利用している場所もあります。貯留槽にポンプを取り付け、トイレ等の配管に接続し、利用します。貯留槽からオゾンや塩素の消毒装置を取り付けて、手洗い等で使用できるようにすることもあります。

雨水利用システムのメンテナンス

雨水利用システムはごみや泥がフィルター等の目につまることがあるので、定期的なメンテナンスが必要です。内容としてはフィルターやスクリーンの清掃や、タンク、貯留槽内部のクリーニングなどです。清掃やメンテナンスの頻度は、それぞれの製品や環境によって異なりますが、目視してすぐに汚れやごみが見えたらこまめに清掃したほうが性能が維持されます。

また、雨水を長期間貯めたままにしてしまうと雑菌やコケ等が繁殖する原因になるので、適度に使用して、雨が降った際に新しい雨水が貯まるよう循環させます。

一般住宅用の小規模なシステムであれば個人でメンテナンスできる場合が多いですが、大規模なシステムについては業者に依頼するのが一般的です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です