パージ剤とは
パージ剤とは樹脂成型機の材料替え時に使用する洗浄剤で、金属表面に付着した樹脂や炭化物を剥離する作用を持ちます。通常、1つの樹脂成型機に対して樹脂の色を変えたり、樹脂の種類を変えたりしながら運用しています。しかし、洗浄プロセスを省いた場合、前材料の残留物が混入し歩留まりが低下します。結果的に樹脂の廃棄物が増加するだけでなく、人件費などのコストがかさむとされています。そのため、パージ剤を使用し歩留まりの低下を防止します。近年は、主成分にホウ酸を使用しているものが多く、成形機を傷つけることなく洗浄できます。
パージ剤の使用用途
パージ剤は、樹脂成型機の材料替えや色替えの際に洗浄目的で使用されます。材料の種類や色を変える場合は、成形機に付着している前材料を洗浄する必要があります。正確には、必ずしも洗浄する必要はありませんが、洗浄なしで後材料を投入すると前材料と混合し、歩留まりの低下や材料ロスが発生し、時間とコストがかかります。また、成型品に付着する炭化物や黒点の除去も可能になります。ただ、使用する樹脂によって適切なパージ剤が異なるため、事前に確認しなければなりません。
パージ剤の原理
ここではパージ剤を用いた洗浄工程を説明します。ただし、使用する前後の材料や成型機により異なる場合もあるため注意してください。
- 前材料をすべて排出
前材料の残留状態では高い洗浄効果を得られないため、確実に排出します。また、ホッパーや供給ラインも同様に排出します。 - ホッパー部分の清掃後、パージ剤を投入
基本的には規定量を投入しますが、凹凸部は洗浄効果が低くなるため量や回数など工夫する必要があります。 - 諸条件を検討し回転パージで洗浄
作業効率を高くするため背圧を高くし、射出速度も高めに設定します。また、洗浄温度は前材料の成形温度を維持します。 - 前材料または前色が除去できたことを確認
目視にて前材料がすべて除去したことを確認し、成形機を停止します。 - 後材料の成形温度に変更
後材料の成形温度に変更後、材料を投入します。 - 回転パージで排出
洗浄時と同様の操作を行い、パージ剤を完全に排出させます。パージ剤が完全に除去できたことを確認し、通常の成形作業に移行します。
参考文献
https://celpurge.com/features/
http://www.nitto-kk.co.jp/products/sc/sc.html