バックシーラーとは
バックシーラーとは、包装工程において使用される重要な機器の一つです。その主な機能は、袋状の包装材料を熱を用いて密閉することです。
加熱によって袋の封口部分が溶け、密着することで、中に詰められた商品を外部の環境から保護します。この熱密封のプロセスにより、商品の鮮度や品質を長期間にわたって維持することができます。
バックシーラーの使用用途
1. 食品産業
バックシーラーは食品の包装に欠かせない製品です。新鮮な食材や加工食品を包装して鮮度を保ち、外部からの影響を防ぎます。乾燥した食品や冷凍食品、スナック類など、さまざまな食品を安全に包装するために使用されます。
2. 医薬品産業
医薬品や医療機器の包装においても重要な役割を果たしています。薬品や医療用具は衛生的な状態で保管・出荷される必要があり、バックシーラーはその要件を満たすために使用されます。
3. 家庭用品・化粧品
家庭用品や化粧品もバックシーラーで包装されることがあります。美容製品や清潔用品など、様々な商品を封印し、外部からの影響を避けて品質を保つために活用されます。
4. 工業製品
工業製品や工具、部品などもバックシーラーで包装されることがあります。特に小さな部品や小売包装において、密封された包装は保護と効率的な出荷を実現します。
5. 農産物
野菜や果物などの農産物も、鮮度を保つためにバックシーラーで包装されることがあります。適切な包装によって鮮度を維持し、長期間保存することが可能です。
6. その他の産業分野
電子機器、文房具、衣料品など、さまざまな商品がバックシーラーを使用して包装されています。製品の種類や要件に合わせて異なるタイプのバックシーラーが活用されます。
バックシーラーの原理
1. 熱伝導と溶融
バックシーラーは一般的に封止バー (sealing bar) と呼ばれる部分があり、これが包装材料を挟んで熱を加えます。封止バーは電熱素子を備えており、通電によって加熱されます。包装材料は封止バーに挟まれることで、局所的に高温になり、一部が溶けることで接合が可能です。
2. プレッシャーの適用
封止バーが加熱された状態で包装材料を挟む際、バックシーラーは一定のプレッシャーをかけます。このプレッシャーは接合部分を均一に密着させる役割を果たし、熱が伝わりやすくするための条件を整えます。
3. 冷却と固化
包装材料が一定時間熱にさらされた後、封止バーから離れると冷却されます。この冷却によって、溶けた部分が再び固化し、密封が確立されます。冷却過程は接合部分の強度と耐久性を向上させる重要なステップです。
4. 包装材料の選択
バックシーラーの原理を最大限に活かすためには、適切な包装材料の選択が重要です。熱を効果的に伝導する材料や、溶融しやすい材質が選ばれることで、封止効果が向上します。
バックシーラーの種類
1. 熱封バックシーラー
この種類のバックシーラーは、封止バーを通じて熱を加えて包装材料を密封します。食品や医薬品などの製品に広く使用されており、袋状の包装材料をしっかりと封止するための高い効果を持ちます。
2. 超音波バックシーラー
超音波を利用して包装材料を接合するバックシーラーです。熱を発生させずに接合するため、熱に敏感な製品の包装や、食品の鮮度を保つために使用されます。
3. インパルスバックシーラー
インパルスバックシーラーは、封止バーに間欠的に電力を供給することで熱を発生させ、包装材料を封止します。連続的な加熱が必要なく、エネルギー効率的な封止を実現します。
4. 連続バックシーラー
連続的に封止作業を行うことができるバックシーラーです。コンベアベルトや封止ローラーを使用して、効率的に大量の包装作業を行う際に活用されます。
5. 手動バックシーラー
操作者が手動で封止バーを下ろすことで封止を行うタイプのバックシーラーです。小規模な作業や特定の形状の包装に適しています。