バール

バールとは

バール

バールとは、主に釘抜きやこじ開け、建材の切断や破壊に使われる手工具の一種です。

バールは「てこの原理」を利用し、小さな力で大きな力を生み出すことが可能です。バールの先端には、平板状や爪状の形状があり、それぞれ特定の用途に応じた機能を持っています。特に解体作業や建築現場など、重い物を動かしたり、頑丈な材料を切断したり取り外したりする作業で幅広く使用されます。

多くのバールは鋼や鉄などの耐久性の高い素材で作られており、その頑丈さと汎用性から、多目的に活用可能です。また、用途によってさまざまな形状やサイズが用意されています。

バールの使用用途

バールの使用用途として、釘抜き、こじ開け、重いものの持ち上げ、建材切断・破壊の4つが挙げられます。

1. 釘抜き

バールの中には、釘抜きができる種類があり、平たい爪状の先端を釘の頭に引っかけて釘を引き抜きます。釘を引き抜くときには、爪の広い部分を釘の頭に引っ掛けてバールを傾けながら釘を引き抜きます。

2. こじ開け

バールの爪を物に引っ掛けて引っ張ることで、建材をこじ開けられます。例えば、壁や天井の裏側にある電線や配管を取り出す際には、バールの爪を建材に引っかけてから引っ張って開けられます。

3. 重いものの持ち上げ

バールを物に差し込んでレバーのように持ち上げることで、重い物を持ち上げたり壊したりできます。例えば、建物の解体作業で、バールを使用して柱を倒したり床板を剥がせます。

4. 建材切断・破壊

バールは力を加えることで硬い物を切断・破壊できるため、建築や解体などで使用されます。例えば壁や床などの建材を切断する際にはバールを使用して切り込みを入れ、力を加えて切断が可能です。また、古いタイルやモルタルを取り除く際にも、バールを使用できます。

バールの原理

バールの原理は「梃子 (てこ) の原理を利用して小さな力で大きな力を生み出すことで、釘を引き抜いたり物を持ち上げたりなどすること」です。平たい爪状の先端を物に引っ掛け、バールを持ち上げることで、物を引っ張り出したり、持ち上げたりすることが可能です。バールの先端を物に引っ掛けた場合、以下のような関係が生じます。

  • 作用点:バールと物との接点 (平たい爪状の先端)
  • 支点:バールの曲げ部
  • 力点:バールと物との接点の反対側の端

バールの先端が物に挟まれることで作用点ができます。力点に力を加えると、支点を中心にして作用が回転し物を持ち上げますが、これが「梃子の原理」をバールに応用した具体例です。支点から力点までの距離より、支点から作用点までの距離が長い状態であるため、力点に与えた力より大きな力が作用点で働きます。これにより、小さな力で大きな力を生み出すことができます。

また、バールを建材などの硬い物に引っ掛け、力を加えることで、物を切断したり破壊したりすることが可能です。その場合も上記の作用点、支点、力点の関係と同様になり、手元でかけた力が増幅され、物を切断・破壊できます。

バールの種類

バールには様々な種類があり、メーカーによって名称が異なる場合がありますが、具体的には断面形状が平らな形状をしたバール、ハンマー付きのバール、断面形状が多角形のバールの3つが挙げられます。

1. 断面形状が平らな形状をしたバール

断面形状が直線や曲線で囲まれ、平らな形状をしたバールで、「平バール」と呼ばれることもあり、木材や金属の加工に使用されます。

一般的に鋼や鉄などの強靭な材料で作られ、通常一方の端が尖っているため、材料を引っ掛けたり、持ち上げたりすることが可能です。また、平らな形状をしているため、壁や床などの表面を傷つけることなく、材料を取り扱うことが可能です。また、壁や床の下にある古い板を取り外したり、建物の解体作業において、床の板材を剥がしたりする際に使用されます。また、金属の加工においては、金属板を切断する際に、切断線を指定して切り出す際に使用されることがあります。

2. ハンマー付きのバール

ハンマー付きのバールは、主に木材加工現場や建設現場で使用されます。

バールの一端に釘の頭などを叩く面がついており、もう一端には爪がついています。そのため、ハンマーとして釘を打ち込む作業と、バールで釘を引き抜く作業を一つの道具で行うことが可能です。

3. 断面形状が多角形のバール

断面形状が多角形のバールは、通常は鉄やスチールなどの強い素材で作られており、断面形状が六角形や八角形状など多角形であることが特徴です。断面形状は、バールを握る手のグリップを強化する効果があり、握りやすく、力を集中して加えられます。そのため、バールが回転することを防ぎ、正確に対象物に力を加えられます。

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