液肥混入器

液肥混入器とは

液肥混入器

液肥混入器とは、液体化学肥料と原水を混合し、設定された液肥濃度に希釈調整する装置です。

圃場面積や流量、希釈倍率、電源の有無によって選択します。また、原水に不純物が含まれていると機器が故障するので、ろ過器の併設が必要です。基本的に液肥濃度は低く、0.4%-4%程度になります。

調製には原水を比較的多く使用します。混合後の液肥供給流量は幅があり、毎時数十Lから数m3から設定が可能です。液体化学肥料を供給するポンプは、比例ポンプと言います。

これは、原水が注ぎ込まれる力を駆動源としており、水の供給量に比例した液体添加剤の供給が可能です。この方式は水圧損失が小さく、他の動力設備は不要です。

液肥混入器の使用用途

液肥混入器は、花卉園芸、家畜養殖、環境保護に用いられています。その中でも、養液土耕栽培に使用される場合が多です。この栽培方式は、点滴チューブで少量の水を雫の状態で供給するもので、慣行栽培より植物にストレスなく給水することができます。

例えば、定植直後の苗へのストレスを最小限に抑え、水・酸素・肥料を継続的にバランスよく与えることが可能です。これにより、良質な根が生育します。供給量と期間を設定すれば、必要最低限の量で収量・品質の向上を図れます。

また、業界によっては、液体肥料に替わる原液や水に替えて他の媒体が用いられることも多いです。装置は、廃水灌漑、設備保養、水処理、工業衛生、車両洗浄、印刷業界などでも活用されています。 

液肥混入器の特徴

長所

液肥混入器の長所は、使用することで液肥の希釈割合、濃度を一定に保てることです。濃度が変化してしまうと液肥の効果を十分に発揮できず、逆に作物の生育を阻害してしまう恐れがあります。

自動で液肥を薄め、濃度を一定に保てる液肥混入器を使用することで、そのような問題を防げるようになります。

短所

液肥混入器にはさまざまな種類がありますが、使用用途や灌水を行う面積によって大規模なタンクの設置が必要になったり、原水の水質改善が必要な場合はろ過装置が必要になったりと、状況によって設備を変更しなければならない点が短所として挙げられます。液肥混入器のみでは十分に稼働できないケースもあるため、事前に確認しておくことが大切です。

液肥混入器の種類

1. 比例式液肥混入器

養液土耕栽培時に、灌水に用いる配管の途中に設置して使用します。原水の量に比例し液肥を混入するため、希釈倍率の簡易的な調節のみ行えることが特徴です。

2. 圧入式定量液肥混入器

養液栽培時に混合タンクを用いて使用します。モーターを使用し、定量ポンプを動かすため、液肥混入の精度が高いことが特徴です。

液肥混入器の選び方

液肥混入器は、使用する環境が養液土耕栽培か、養液栽培かによって選び方が異なります。

1. 養液土耕栽培の場合

養液土耕栽培の場合は、混合タンクを使用せず、原水の流れる配管に直接混入する比例式液肥混入器を用いることが多いです。操作が簡便で施工費のあまり高くないため、養液土耕栽培時に液肥混入器を用いる際は比例式液肥混入器が適しています。

2. 養液栽培の場合

養液栽培の場合は、混合タンクを使用するかどうかを考えます。混合タンクを用いる場合、あらかじめ混合タンクに培養液を貯めておくことができるため、突然の断水にも対応できるほか、培養液の温度を調整したり培養液をリサイクルしたりするなど、さまざまな用途に使用することが可能です。

混合タンクを用いない場合は、定量ポンプを併用し精度を上げることで、養液栽培に使用しやすくなります。養液土耕栽培に比べ、養液栽培では追加の設備や維持費など、コストが高くなる傾向があります。

しかし、製品によって制御可能なものや精度が異なるため、使用用途に応じた機能を持つ液肥混入器を選択すると、より効果的に使用することができます。

液肥混入器の使い方

1. 比例式液肥混入器

比例式液肥混入器には制御のための機能が付いておらず、混入比率をダイヤルで設定し灌水のオン・オフのみ制御することができます。

2. 圧入式定量液肥混入器

圧入式定量液肥混入器は、灌水のオン・オフの他にECセンサーの値によって定量ポンプを稼働させるという制御が行えます。混合タンクを併用する際には、ヒーターなどを用いて温度を制御することも可能です。

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