タコメーターとは
タコメーターは回転する物体の速度を目盛りや数字などにより可視化する計測機器です。
主に自動車やオートバイのエンジン回転数、発動機や電動機の軸回転数を使用者が視認する用途に用いられ、その表記の仕方には盤面に刻まれた目盛りや数字を指針によって指示する「アナログ式」と、画面にボリュームグラフやデジタル数字によって表示する「デシタル式」などがあります。
もともと機械に内蔵されているもののほか、電磁パルスやOBD、反射材を用いたの汎用タコメーターがあります。
タコメーターの使用用途
「回転数を把握する」ということは機械の過負荷や故障を防ぐ上で、使用者にとって非常に重要なことです。
特に自動車やオートバイの場合は変速の際にエンジン回転数が大きく変化するため、回転数を把握しないまま高回転でシフトダウンすると過回転による故障が起こり得ます。
タコメータを使用することにより使用者はエンジン回転数を目視にて確認できるため、過回転を防ぐことができるだけでなく、低回転巡航による低燃費走行が可能となります。
タコメーターの原理
現在主流なものとして、次の種類が挙げられます。
検出方法として
- 機械式:回転部分からの入力をギヤと回転ワイヤを用いて抜き出し、メーター部の回転センサーで検出もしくは磁気式メータで表示するもの。
- 電気式:エンジンのイグニッションコイルに加わる電圧を検出し、そのカウント数(4気筒であれば1回転あたり4回)により回転数を検出するもの。もしくはクランク角センサーにより検出された信号により回転数を割り出すもの。
- 光学式:反射材を回転部分に装着し、受光した回数を元に回転数を割り出すもの。
表示方法として
- アナログ式:磁気式(フーコー式)で、盤面の目盛りや数字を指針によって指示するもの。
- デジタル式:LEDや液晶画面によって、セグメント表示、バーグラフ表示などで表示するもの
- ステッピングモーター式:検出されたパルス信号を元に、ステッピングモータで指針を動かすもの
特に表示方法に関しては、外部からの揺れや衝撃などに影響されにくいデジタル式、ステッピングモーター式が現在主流となっており、アナログ式は汎用の安価な製品に用いられる傾向があります。
タコメーターのタコとは
バイクや自動車のエンジン回転数を示す役割を持つタコメーターですが、タコメーターの「タコ」はどのような意味でしょうか。
タコのスペルはTachoで、Tachoは古代ギリシャ語から来ており意味は速度です。まだ計器類が装備されていなかった古い時代はエンジンの回転数で速度を計測していました。そうした過去の歴史によりタコメーターと呼ばれています。
タコメーターはいらなくなる
マニュアル車が多く走っていた1900年代は多くの自動車にエンジン回転数を示すタコメーターが付いていました。しかし、2000年代に入り、タコメーターのない自動車が増えてきました。
理由はいくつかあり、1つはコストカットです。バブル崩壊前はマニュアル車や高級車が多く走っており、自動車にはタコメーターや様々な装備が付いていました。しかし、2000年以降はオートマチック仕様の安い自動車を求めるユーザーが増えたため、自動車メーカーは最廉価仕様の自動車においてタコメーターを廃止しました。
2つめはコンピューターの高性能化です。マニュアル車では、エンジン回転数に合わせて運転手が適切に変速をコントロールする必要がありました。しかし、オートマチック車では変速をコンピューターが自動で行うため、運転手はエンジン回転数を示すタコメーターを気にかける必要がなくなりました。
また、電気自動車やハイブリッド車の普及も大きな要因です。タコメーターの代わりにエネルギー使用量を示す特別なメーターが表示されています。電気自動車は変速が必要なく、エネルギーの消費と回生を示すメーターがついています。運転手はメーターを確認することによってより低燃費な運転が可能です。
ハイブリッド車ではガソリン車のようにエンジン回転数に応じて変速を行いますが、エンジンの回転は発電用のモーターにも使われるため、アクセル操作とエンジン回転は連動していません。エンジンの回転と燃費に関係性がない為タコメーターは廃止され、モーターの稼働を示すメーターが装備されています。
参考文献
https://www.nippon-seiki.co.jp/defi/products/advance_bf/adbf_tacho/
https://www.webcartop.jp/2018/07/252840/