電子タイマー

電子タイマーとは

電子タイマー

電子タイマーとは、特定の時間にONし特定の時間にOFFする機能を持つタイマーの中でも、電子回路や半導体ICを用いたものです。

プログラムタイマーと呼ばれることもあります。電子タイマーの場合、毎日同時刻にONさせ、その後指定した時間を経てOFFさせるような使い方が一般的です。中にはプログラム機能を活用し、ON/OFFの指定時間の組み合わせを複数パターン有するものがあります。この場合、例えば月曜日はAパターンのON/OFF時刻で制御し、火曜日はBパターンのON/OFF時刻で制御し、以降C、D、E ・・・のパターンで、各曜日単位でいずれのプログラムを有効にするか選択するような使い方が可能です。

電子タイマーの使用用途

電子タイマーは照明器具や家電機器などに多く使われている他、産業機器の制御向けにも広く用いられています。

照明器具では、例えば、毎日同じ時刻に照明のイルミネーションを点灯させ所定の時刻になったらOFFさせるという使い方や、毎日同じ時刻に加湿器をONにして、決まった就寝時刻にOFFさせるといった使い方が想定されます。産業機器の場合には、工場等の産業機器の電源制御に電子タイマーを使う事例や、身近なところでは押しボタン信号機の制御などにも用いられています。

最近ではセンサー機能と組み合わせて、様々な付加機能が搭載された製品もあります。例えば、照度センサーを備え、周囲が明るくなったらON、暗くなったらOFFするといった使い方です。夜間は使わないが昼間だけ稼働してほしいような場面において便利です。また屋外での利用を想定して防水型のものや、接続されている機器の使用電力量を表示してくれるタイプもあります。

電子タイマーの原理

電子タイマーは、内部の電気回路の抵抗とコンデンサ (容量) からなる時定数で決まる遅延時間を動作原理として活用しています。コンデンサに電荷が溜まるまでには所定の時間を要するため、対に用いる抵抗値を可変させることで、時定数すなわち所定の時間を決定します。

タイマーの動作ONとなる入力信号はトリガーとも呼ばれ、このトリガーを基準に様々な動作モードで動作することが可能です。主な動作モードを以下説明します。

1. ディレイモード

この動作モードには、入力のトリガー信号が入った後で一定期間を経て出力がON動作するオンディレイモードや、その反対に入力トリガーと同時にタイマーがONし、所定の時間のタイマーOFFの際に出力がONになるオフディレイモードがあります。

2. フリッカモード

タイマーONの後、一定期間出力ON/OFFを繰り返す動作モードをフリッカモードといいます。

3. インターバルモード

入力トリガーと同時に出力がONとなり、タイマーの設定時間後に出力OFFになる動作モードです。

4. 電源の扱いなど

電源は電池駆動品のポータブルなタイプの他に、通常は商用電源AC100Vを入力するACコンセント (電源供給側) の差込口と制御対象の電気機器のACコンセント (電源取出し側) の差込口とが用意されています。これは、所定のON時刻になった場合、前述の電源供給側と電源取出し側を導通させることにより接続された機器に電力を供給するというとてもシンプルな仕組みです。

許容電力が電子タイマーの種類によって異なるため、この許容電力を超える電力の供給はできません。電子タイマーの許容電力を確認し、使用する機器が必要とする電力量がそれ以下であることを確認した上で使用する必要があります。

プログラムタイマーで複数のプログラムを持ち、操作用の複数のプッシュボタンと液晶表示を持つような高機能型の電子タイマーの場合は、マイコンを搭載したデジタル設計が施されていることが多いです。

電子タイマーの構造

タイマーは大きくアナログ式とデジタル式に区分できますが、電子タイマーは電子回路を用いているため、一般にはデジタル式タイマーに相当します。

電子タイマー筐体の内部構造は、例えばNE555と呼ばれるタイマーICと、ディスクリート部品で構成された遅延を制御する電気回路、外付けの抵抗RとコンデンサC (容量) で構成されており、CRの時定数で遅延時間を調整します。

ICや電気回路に供給する電源と、時間を表示するLED表示灯やリレー等が筐体内に具備されているのが一般的な構造です。複雑な制御が可能な電子タイマーの場合にはプログラミング機能を有するマイコンが内蔵されています。

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