吊り治具

吊り治具とは

吊り治具

建設用、または、作業用クレーンの吊り先(フック)と吊り荷の間に取り付けて、吊り荷を安定させたり、位置を調整したりする吊り荷調整機具です。

また、クレーンの移動・作業半径外へ吊り荷を設置・移動させる場合にも利用します。

主に動力式、固定式、バランス型のタイプがあります。

動力式吊り治具は、高所でのクレーン吊り作業にて、作業者の代わりに吊り点の玉掛けを外したり、吊り荷の反転・回転作業を行うものがあります。

吊り治具の用途

吊り治具は、クレーンフックの先の部分に取り付け、吊り荷の安定化や吊り点箇所を増やしたり、一度に何個も吊り荷を吊ったり(連吊り)、吊り荷を立て起こしたりするために利用します。

クレーンのフック先に付けることにより、吊り荷の運搬時の安定化はもちろんのこと、クレーンの運搬能力の効率化・拡張が出来るため、建築現場でのクレーン先、工場の天井クレーン先や、トラッククレーンやラフテレーンクレーンのフックの先に取り付けて利用します。

メリット

  • クレーンフックの先に取り付けるだけで、クレーンの運搬能力が格段に向上・拡張される
  • 吊り荷をバランスよく吊ることが出来る
  • 効率を上げることが出来る(一度に幾つも吊ることが可能になる)
  • 高所など、危険を伴う箇所での作業を自動で行うことが出来る

デメリット

  • 吊り荷全体の自重が重たくなる
  • クレーンの重量制限に関わることになる

吊り治具の原理

吊り治具は主に「動力式」「固定式」に分けることができます。

動力式吊り治具は、吊り荷を吊っているワイヤ、チェーンなどを調整したり、吊り荷全体を回転させたりする機構が備わっています。

固定式吊り治具は、クレーンフックの先の吊り点を増やすための形状をしている鉄鋼物であったり、クレーンの作業半径外に吊り荷を運ぶために、吊り荷を吊り上げた際にバランスが取れるよう重りがついていたりします。

長尺ものの吊り荷を吊るために、長い棒状の吊り治具をクレーンフックの先に取り付け、吊り点を増やし、吊り荷を安定させます。

長い棒状の吊り治具は、吊り点が複数になっても問題ない構造設計になっております。高層建築現場などでは、高所に吊り荷を配置して、吊っていたワイヤなどを外す作業が伴いますが、動力式吊り治具であれば、作業者が高所へ上り、作業する危険性を無くすことが出来、省力化にも貢献できます。

さらには、長尺鉄鋼物や、高層建築用の鉄筋柱などを、運搬したトラックから吊り上げるには、立て起こし作業が伴いますが、動力式吊り治具であれば、吊り荷の両端に付いているチェーン、ワイヤの調整することにより、水平に吊り上げてから、空中で立て起こすことも可能になります。

【動力式吊り治具】

動力式吊り治具01 動力式吊り治具02

吊り治具の種類

1. 動力式吊り治具

動力式により「様々な機能の自動化」、「吊り荷の反転・回転作業」が可能になります。自動で作業を行わせるため、高所での作業が自動化され、効率化、省力化、安全性を高めることが出来ます。

動力式吊り治具03 動力式吊り治具04 動力式吊り治具05
動力式吊り治具06    

2. 固定式吊り治具

金具形状次第で、「吊り荷のバランスを取る」、「クレーン半径作業外へ吊り荷を設置する」、「吊り点を増やす」ことが可能になります。

固定式吊り治具01 固定式吊り治具02
固定式吊り治具03 固定式吊り治具04
固定式吊り治具05 固定式吊り治具06
固定式吊り治具07 固定式吊り治具08

吊り治具の重要性

吊り治具はクレーンの作業効率向上、吊り荷運搬の安全性を考えると、とても重要な道具と言えます。

吊り治具がない状態での運搬は、吊り荷を安定的に移動・運搬することが出来ず、作業者の安全性を確保できなくなります。

また、吊り治具がない場合の作業効率は、大幅に下がり、長尺ものなどの吊り上げ〜立て起こしなどは、2 機のクレーンにて作業を行う必要が出てきます。

高所作業の自動化においても、作業者の安全性を向上させ、省力化に大きく役立ちます。

吊り治具使用動画例

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