湿式集塵機

湿式集塵機とは

湿式集塵機とは、湿らせた水を使用して空気中の粒子を捕集する装置です。

排ガスや粉塵の処理装置として使用されます。空気中の粒子が吸引されると、水面に衝突して水に溶けたり吸収されたりします。その結果、空気中の粒子や塵埃が効果的に取り除かれます。湿式微集塵機は、小な粒子や有害物質を効果的に捕集できる装置です。

湿らせた水は粒子を捕まえるだけでなく、空気中の有害な成分を取り除くためにも使用されます。また、湿式集塵機は一部の乾式集塵機よりも火災の危険性が低く、静電気の発生を抑えることが可能です。乾式集塵機を使用した場合と比較して排音量が少ないため、騒音対策としても有効です。

湿式集塵機の使用用途

湿式集塵機は工場や建設現場、医療施設などで広く活用されています。

1. 工業分野

工場や製造現場などの工業環境では、生産プロセスによって発生する粉塵や微粒子を取り除く必要があります。湿式集塵機はこれらの微粒子を効果的に捕集し、作業環境を清浄に保つために使用されます。また、木工所などでも木くずなどが発生するため、湿式集塵機で捕集する場合もあります。

2. 建設分野

建設現場では、土砂やコンクリートの切削などによって大量の塵埃が発生します。建設機械や工具から発生する粉塵を捕集し、作業員や周囲の環境への影響を軽減することが可能です。

3. 医療分野

病院や研究施設でも感染症や微生物の拡散を防ぐために、空気中の微粒子を除去する必要があります。湿式集塵機を利用して、空気を清浄に保つ場合があります。

湿式集塵機の原理

湿式集塵機は、湿らせた水を使用して空気中の粒子を捕集する原理に基づいています。まず、湿式集塵機は空気中の粒子や塵埃を吸引するために、ファンやポンプなどの吸気口を有します。

空気中の塵埃などは、水を主要な捕集媒体として捕集されます。装置内には水が貯められるタンクまたは槽があり、空気中の粒子が吸引されると水面に衝突し、水に溶けたり吸収されたりします。

水中に入った粒子は水によって濾過されます。水は微小な粒子を捕集し、空気から分離可能です。粒子を含んだ水は定期的に排水されるか、フィルターを通して再利用される場合があります。

湿式集塵機の種類

湿式集塵機はウエットスクラバー方式と湿式電気集塵方式があります。

1. ウエットスクラバー方式

ウェットスクラバー方式は、水を使用して空気中の粒子や有害物質を捕集して清浄化する装置です。吸引された粒子を含有する空気は、煙道内を通りながら水と接触します。

水中に吸収された粒子や有害物質は、装置内の分離器やフィルターを通して取り除かれます。これにより、処理された空気が装置から排出されます。

ウェットスクラバー方式は、特に微粒子やガス状物質の除去に効果的です。水との接触によって粒子が効率的に捕集され、清浄な空気を排出します。また、この方式では水が化学的な反応や中和作用を起こすこともあり、有害なガスや蒸気の除去にも役立ちます。

工業環境や排ガス処理施設、廃棄物処理場など、粒子やガスの制御が必要な場所で広く使用されます。

2. 湿式電気集塵方式

湿式電気集塵方式は、空気中の微小な粒子や塵埃を静電気によって捕集する湿式集塵機です。基本的な構造は集塵板や電極を持つ捕集チャンバー、貯液タンク、および高電圧源です。

まず、塵埃を含む空気が導入されます。導入された空気中の塵埃は直流高電圧を印可した捕集チャンバーへ導入され、静電気力によって集塵板へ引き寄せられます。捕集チャンバーには水が供給されており、集塵板に引き寄せられた塵埃を水に溶かして洗い流します。

電気集塵方式は、他の方式よりも捕集できる粒子の大きさが小さい点が特徴です。また、水の利用により、装置内で発生する熱を冷却する効果もあります。直流高電圧源には大型の整流器などが使用され、装置の頂上に設置されることが多いです。

金属製錬プロセスなどにおいて広く使用されます。また、一般的には定期的に集塵板を水洗するため、バックアップ用として複数台並列に導入されるケースも少なくありません。

参考文献
https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/sanpo/sanpo21/sarchpdf/92_12-15.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jriet1972/1/5/1_5_374/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jar/30/2/30_84/_pdf/-char/ja

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