鋼製電線管

鋼製電線管とは鋼製電線管

鋼製電線管は、電線を保護するための鋼管です。鋼製のほか合成樹脂製や塩化ビニール製もあります。色々な種類、外径、厚さがあり、長さは欧米の12フィート規格に由来する3,660mmが一般的です。

電線管の役割は、電線を物理的に保護すること、電線から火災が広がるのを防止すること、火災時に電線を保護することなどです。また、電線が絶縁劣化した時の外部への漏電を小さくしたり、電線の入れ替えなどの補修作業を容易にする役割もあります。

鋼製電線管は、屋内・屋外、露出・埋設、耐食性・可とう性、及び作業性、価格、サイズなどの使用条件に適合する種類が揃っています。

鋼製電線管の使用用途

鋼製電線管には、主なものとして3種類があり、JIS規格になっています。厚鋼電線管 はG管と呼ばれ、肉厚が2.3mm以上の金属電線管です。通常内面・外面が溶融亜鉛めっきされ、耐候性に優れているので、主として屋外の電線保護に使われます。直射日光が当たる屋上や排気ガスが多い駐車場、また、湿気が多い地下ピット、塩害区域など、環境が過酷な所にも使用が可能です。さらに高圧電線や防爆仕様として危険区域の電線にも使用されます。

薄鋼電線管は C管と呼ばれ、屋内使用を前提とする仕様になっているので、厚鋼電線管 に比べると耐久性が少し劣ります。肉厚は1.6mm近辺が多く、主として屋内の露出配管用に使われます。

ねじなし電線管はE管と呼ばれ、薄鋼電線管よりさらに肉厚が薄く、1.2mm近辺の電線管です。軽量で施工性に優れているが、強度が弱い欠点があります。屋内露出用や天井裏などに使用されます。

鋼製電線管の特徴

鋼製電線管には、主な3種類のほか、金属可とう電線管、ライニング鋼管などがあります。金属可とう電線管は、容易に曲げることができることを特徴とする電線管で、プリカチューブとも言われています。伸縮ジョイント部や振動がある所などで、完全固定が困難な所に使われます。また、分電盤や接続機器の近くで可とう電線管と鋼製電線管とを接続する使い方も多くみられます。

ライニング鋼管は、鋼製電線管に合成樹脂のコーティングをしたもので、ケーブル保護の電線管やガス管、水道管などを地中に埋設する場合に使われ、PLP管とも言われています。

電線管の設計技術として重要なことの一つが占積率です。占積率は電線管の内径面積に対して電線が占める面積の比率を言い、占積率を32%以下にする必要があります。占積率が大きいと、入線作業が困難となり、電線が損傷する可能性が高まり、また電線の交換が困難になるからです。電線管の長さも考慮する必要があります。曲がりが多い場合や、直線長さが約30m以上になる場合は、途中にボックスを一定間隔で設けます。

多くの電線を一つの電線管に収容する場合は、放熱が不十分となるため、電流減少係数と言って、許容電流が減少する比率があります。3本以下なら0.7倍、4~6本の場合は0.6倍、7~15本では0.5倍まで許容電流が減少します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です