鋳塊とは
鋳塊(ちゅうかい)とは、溶かした金属、または合金を鋳型に流し込み、冷却し、固めた塊です。つまり鋳造によって作られるものであり、インゴットとも呼ばれます 。
鋳塊は、あらゆる金属製品のもとであり、圧延や押出し、除去などの加工工程に供給される素材です。鋳塊を作る工程の最後には脱酸素の工程があり、この程度によって、リムド鋼(脱酸素が不十分)、キルド鋼(脱酸素が十分)の2つに大別されます。リムド鋼は、有害不純物の残存が多いため、品質としてはキルド鋼の方が良いとされています。
鋳塊の使用用途
鋳塊は、各種金属・合金の塊であり、あらゆる金属製品を作るための素材です。
鋳塊は、その品質によって大別すると、リムド鋼とキルド鋼の2つに分けられ、より品質の高いキルド鋼は、高品質の求められる用途、例えば機械構造用鋼材や特殊鋼といったものに使用されます。
一方、リムド鋼は、キルド鋼と比較すると品質は落ちるものの、製造の歩留まりが良く、安価なため、一般構造用鋼材に使用されます。また、鋳肌(いはだ)が極めてきれいなため、薄板に適しているともされています。
鋳塊の種類
鋳塊は、その寸法、形状、用途の違いより、インゴット、ブルーム、スラブ、ビレットに分けられます。
以下で、それぞれについて説明します。
- インゴット(ingot:一般原材料用鋳塊)
加工メーカーが目的に応じて自由に溶解して使えるような形状寸法にした塊です。 - ブルーム(bloom:条鋼圧延用鋳塊)
角形断面をもち、断面がほぼ正方形で一辺が130mm以上のものを指します。条鋼圧延にかけられ、H形鋼などの形鋼製品の素材として使用されます。 - スラブ(slab:圧延用鋳塊)
圧延用鋳塊の名称で、角形断面をもち、厚さ50mm、幅300mm以上のものを指します。薄板などの板用素材であり、高温化で圧延することで板状にされます。 - ビレット(billet:押出用鋳塊)
ピレットは、押出加工用に切断した塊の名称で、主に円柱形の形状をしています。押出機にかけて高温度で押出し、管、棒などの形状をつくるための素材です。