研磨目

研磨目とは

研磨目とは、ブラシや研磨剤などによって生ずる物体の表面の縞模様を言います。研磨の種類によって、研磨目の形状が異なります。

光沢研磨は、バフを使用しますが、バフの細かさにより、粗い光沢面から、研磨目がない鏡面まで可能です。梨地研磨のうち、バイブレーション研磨は、表面にランダムな小さな弧の研磨模様を付けたものです。一般的な梨地研磨は、髪の毛のような真っすぐのライン状のヘアーライン模様です。また、うろこ研磨は、円周状にスピン研磨した模様をうろこ状に重ねた研磨目です。

研磨目の使用用途

研磨目の用途は、ステンレス鋼を例にとると、光沢のある粗い目の仕上げでは、建材や厨房用品などです。光沢のある細かい目の仕上げでは、車両、医療器具、食品設備などです。細かい目の研磨仕上げは、厨房器具などに使われます。また、鏡面で少しすじがあるものは、建材や厨房器具などです。ヘアーラインやバイブレーションの研削目のものは、建材に多く使われます。

バフ研磨は、表面の凹凸を小さくしたり、汚れを取ったりするので、外観・美観の向上、サビや汚れの付着を防止する用途に使われます。

金属以外の研磨の用途は、宝石や大理石、光学部品や電子部品、及び歯科・生体用代替物などがあります。

研磨目の原理

精密加工の分野では各種の加工法がありますが、その中で多く使われるのが砥粒を用いて研磨する方法です。この方法は二つに分類され、砥粒を結合剤により砥石状に固めたものを使用して研磨する固定砥粒方式と、砥粒をバラバラにした状態で研磨する遊離砥粒方式とがあります。固定砥粒方式の例は、ホーニングや研磨布加工などです。また、ラッピングやポリシングなどは遊離砥粒方式に分類されます。これら各方式の加工により、独特の研磨目ができます。

研磨加工に使用する砥粒には、天然砥粒と人造砥粒があります。ラッピングなど比較的研磨量が多い粗研磨には、モース硬度が9以上のアルミナ、炭化ケイ素、ダイヤモンドなどの非常に硬い砥粒が使用されます。また、ポリシングなどの仕上げに用いる精研磨には、モース硬度が7以下の比較的軟らかい微細砥粒が使われます。天然砥粒は、主流であった天然ダイヤモンドが次第に人造物に置き換わり、人造砥粒の時代になっています。

ラッピングの加工原理は、遊離している硬い砥粒の先端が、ワーク表面とラップ工具との両方にめり込み、個々の砥粒先端が微小工具となって研磨する方法です。また、ポリシングの加工原理は、ポリシャと呼ばれる板状工具上に遊離した微細砥粒を流し、ワークを押し付けてポリシャとの相対運動させて研磨する方式です。

簡易的に研磨目を作るには、各種の研磨材を使用します。ベルト、フィルム、ホイールなどのタイプがあり、目の粗さがいろいろ揃っています。電子部品用の精密研磨ホイールは、半導体ウェハーのラップ研磨や端面研磨、及び光学ガラスの精密研削などに使われます。自動車の補修用の研磨材もあり、コンパウンドと呼ばれています。

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