伸び計

伸び計とは

伸び計とは、金属などの材料の伸び変形を正確に測定する計測器です。

外力を加えた際の長さの変化を検出し、変形の度合いを微細な単位で数値化します。肉眼では確認できないわずかな伸びも読み取れる点が特徴です。歪みゲージ式やレーザー式など、様々な原理の製品が販売されています。形式ごとに測定精度や取り付けやすさなどが異なるため、目的に応じて適切に選定することが重要です。

伸び量は内部力である応力と密接に関係しています。測定結果から材料が破断に近づいているか、弾性範囲内にあるかを推定できます。安全性を数値で把握できるため、設計から保守まで幅広い工程で欠かせない計測器として使用されています。さらに、計測データをデジタル化することで遠隔監視や自動解析が可能になり、品質保証の信頼性向上に寄与します。

伸び計の使用用途

伸び計は以下のような用途で使用されます。

1. 品質管理

製品を大量生産する工場では、材料が規格通りの機械的性質を備えていることを確認するために伸び計を用います。試験片に荷重を加え、伸び量を算出することでロット全体の品質を統計的に保証することが可能です。迅速かつ非破壊に近い評価が可能なため、生産ラインを停止させずに検査精度を維持することができます。

2. 安全監視

橋梁や高層建築などのインフラでは、安全性を監視する目的で伸び計が使用されます。経年による疲労や、地震後の状態を確認することが可能です。構造部材に生じる微小な伸びを記録すると、応力の蓄積や部材のゆるみを早期に検知できます。伸び量の数値データを手がかりに補修時期を判断でき、突発的な崩落事故の抑止に寄与します。

3. 研究開発

大学や企業の実験室では、新素材や接合技術の性能評価に伸び計が欠かせません。極低温や高温高圧環境に対応する特殊ゲージと組み合わせることで、過酷条件下の挙動も再現できます。取得した伸びデータを数値解析することで、設計指針の策定や製品への転用が可能となります。