ヘリウムリークディテクタとは
ヘリウムリークディテクタとは、ヘリウムガスを使用して機器内部の微小な漏れを検知する計測装置です。
真空ポンプや質量分析器などを活用し、試料にヘリウムガスを吹き付けて漏れの有無を判別します。ヘリウムガスは大気中の存在量が少なく、化学的に安定しているため、他の物質と反応しにくい性質を有します。ヘリウムガスの安定性を利用することで、微量の漏れも正確に見つける点が特徴です。
半導体の製造過程など、多くの場面で活躍する機器として知られています。漏れの検出精度が高く、基本原理はヘリウムガスを目印として漏れを捉えるというシンプルな考え方です。また、検出に使用するヘリウムガスの消費量を抑える機能を備えた機種も存在し、効率的な測定が行いやすくなっています。
ヘリウムリークディテクタの使用用途
ヘリウムリークディテクタは、以下のような用途で使用されます。
1. 半導体製造
半導体の製造工程では高い真空度を確保するため、わずかな隙間から発生するガス漏れも見逃すことがでません。そこで、ヘリウムガスをトレーサーとして用いるヘリウムリークディテクタが、効率的かつ的確な漏れ検出に貢献します。真空チャンバーの検査や真空ポンプの点検で活用され、精密機器の品質を保つうえで欠かせない装置です。
2. 医療
医療機器など、高い安全性が求められる分野でも利用が進んでいます。たとえば、人工呼吸器や透析装置などの医療関連機器において、内部のガス漏れは深刻なトラブルを引き起こす可能性があります。ヘリウムリークディテクタを用いることで、接合部や配管の継ぎ目など、微小な箇所に潜む漏れを早期に発見しやすくなります。
3. その他産業
産業設備や研究施設の配管検査にも幅広く役立ちます。化学プラントでは、配管内のガスや液体の漏れを早期に発見することが不可欠であり、ヘリウムリークディテクタの精密な測定技術が大いに活用されます。各種の試験装置や加圧容器の点検でも、極小の漏れを短時間で特定でき、作業効率を向上させる手段として重宝される技術です。厳密な品質管理が必要とされる現場において、欠かせない機器と言えます。