介護浴槽

介護浴槽とは

介護浴槽とは、高齢者や身体に障害を持つ方々が、安全かつ快適に入浴できるよう特別に設計された浴槽です。

一般的な浴槽とは異なり、入浴動作のサポートや介助者の負担軽減を目的とした様々な機能が備わっています。加齢や疾病により身体機能が低下すると、自宅の浴槽での入浴が困難になる場合があります。例えば、浴槽をまたぐ動作、浴槽内での立ち座り、姿勢の保持などが難しくなり、転倒のリスクも高まるでしょう。介護浴槽はこうした課題のためにあり、入浴時の安全性を確保する役割があります。

介護浴槽は、利用者の身体状況や介護度、住環境に合わせて様々な種類があります。大きく分類すると、寝たままの姿勢で入浴できる「仰臥位入浴 (ストレッチャー浴) 」、椅子に座った状態で入浴できる「座位入浴 (チェアー浴) 」、自力での入浴をサポートする「自立サポート入浴」の3つです。

介護浴槽の導入は、利用者のQOL (生活の質) 向上を実現します。温かいお湯に浸かることで、心身のリラックス効果、血行促進、関節痛の緩和などが期待できます。

介護浴槽の使用用途

介護浴槽の使用用途として、寝たきり状態の方の入浴、座位保持が可能な方の入浴、自力での入浴が困難な方のサポート、介助者の負担軽減、施設や病院での利用の5つを解説します。

1. 寝たきり状態の方の入浴

介護浴槽は、寝たきり状態の方の入浴を可能にすることが用途として挙げられます。仰臥位入浴 (ストレッチャー浴) タイプの介護浴槽は、ストレッチャーに乗せたまま利用者を浴槽内に移動させ、寝た状態での入浴をサポートします。

2. 座位保持が可能な方の入浴

座位入浴 (チェアー浴) タイプの介護浴槽は、座位を保てる方が、シャワーチェアや専用の椅子に座ったまま入浴できる設備です。

3. 自力での入浴が困難な方のサポート

自立サポート入浴タイプの介護浴槽は、手すりや昇降シートなどを備え、利用者の自力での入浴動作を補助します。

4. 介助者の負担軽減

介護浴槽は、利用者だけでなく介助者の負担軽減も実現できます。入浴介助は、身体的な負担は大きいですが、介護浴槽の導入により移乗、洗身、体位変換などの動作が容易になります。

5. 施設や病院での利用

介護浴槽は、自宅だけでなく介護施設や病院でも広く利用されています。特に、多くの入浴者を抱える施設では身体状況の利用者に合わせた介護浴槽を導入することで、効率的かつ安全な入浴介助を実現しています。