キッチンユニットとは
キッチンユニットとは、調理台、シンク、収納スペース (吊戸棚など) が一体となり、さらに配管や配線までが事前に組み込まれた住宅設備機器です。
工場で主要部分が組み立てられた状態で現場に搬入されるため、設置工事は配管・配線の接続作業が中心となり、大幅な工期短縮と施工の簡略化を実現します。
キッチンユニットはシステムキッチンとは異なり、加熱機器 (ガスコンロやIHクッキングヒーターなど) は組み込まれていません。そのため利用者は別途、好みの加熱機器を用意し、設置する必要があります。その点、ビルトインコンロなどを組み込んだシステムキッチンとの大きな違いです。
キッチンユニットの原型は1970年代の日本で誕生し、その後、様々な改良と工夫が重ねられ、現在の日本の台所環境に適した設備へと発展してきました。
キッチンユニットの使用用途
キッチンユニットの使用用途として、賃貸住宅における水回り設備、小規模オフィスや事務所の給湯室、セカンドキッチンとしての利用、リフォーム・リノベーションにおける水回り改修の4つが挙げられます。
1. 賃貸住宅における水回り設備
アパートやマンションなどの賃貸住宅では、キッチンユニットが多く採用されています。理由は、設置と交換が容易であるため、入居者の入れ替わりや設備の老朽化に迅速に対応できるからです。またシンプルな構造はメンテナンス性にも優れており、清掃や修理が比較的簡単に行えるため管理コストの削減も実現できます。
2. 小規模オフィスや事務所の給湯室
コンパクトなキッチンユニットは、小規模なオフィスや事務所の給湯室にも適しています。限られたスペースに効率よく設置でき、従業員がお茶や軽食を用意するのに必要な機能を十分に備えています。
3. セカンドキッチンとしての利用
近年、戸建て住宅において、メインのキッチンとは別にセカンドキッチンを設けるケースが増えています。セカンドキッチンとして、キッチンユニットが選ばれることがあります。例えば2世帯住宅でそれぞれの世帯が独立したキッチンを持ちたい場合や、趣味の料理やホームパーティー用に本格的な調理設備とは別で手軽に使えるキッチンが欲しい場合などに、キッチンユニットは有効です。
4. リフォーム・リノベーションにおける水回り改修
キッチンユニットは、既存の住宅のリフォームやリノベーションにおいても活用されています。特に、水回りの位置を大きく変更せずに設備を新しくしたい場合に、キッチンユニットは有効です。配管や配線が一体となっているため大掛かりな工事を必要とせず、比較的短期間で、かつ低コストでキッチンの改修を実現できます。