トラックボードとは
トラックボードとは、トラック輸送における荷物の保護と安全な運搬を目的として開発された緩衝材です。
従来の物流現場では、荷物と荷物の間や、荷物とトラックの荷台の間に生じる隙間を埋めるために、発泡スチロールなどが利用されてきました。しかし発泡スチロールは割れやすく、欠けやすく、使用中に細かいビーズがこぼれ落ちるという問題点や、耐久性が低いために頻繁に交換する必要があり、コスト面でも課題がありました。
そこで開発された製品がトラックボードです。主な特徴としてまず挙げられるのが、優れた耐久性です。素材には、帯電防止剤入りの発泡ポリエチレン (LDPE) が採用されており、発泡スチロールと比較して割れにくく、欠けにくい性質を持っています。弾力性に富んだ材質が積載時や運搬時に発生する衝撃を効果的に吸収し、大切な荷物を破損から守ります。
さらに、トラックボードは形状にも工夫が凝らされ、持ち運びやすさを考慮したハンドリング形状が採用されており、軽量であるため、最も大きなLサイズであっても一人で容易に扱うことが可能です。従来の緩衝材と比較して、高い耐久性を持つトラックボードは長期間の使用に耐えうるため、交換頻度を減らしランニングコストの削減を実現します。
トラックボードの使用用途
トラックボードの使用用途として、荷物と荷物の間の緩衝材、荷物とトラック荷台の壁面の間の緩衝材、荷崩れ防止のためのスペーサーの3つを解説します。
1. 荷物と荷物の間の緩衝材
トラック輸送において、一般的な用途が荷物と荷物の間に挟み込む形での使用です。異なる形状や大きさの荷物を混載する場合、どうしても隙間が生じてしまいます。隙間を放置すると、輸送中の振動や衝撃によって荷物同士がぶつかり合い破損や傷の原因となります。トラックボードを適切に配置することで、荷物間の隙間を効果的に埋め、衝撃を吸収し、荷物同士の接触を防ぐことが可能です。
2. 荷物とトラック荷台の壁面の間の緩衝材
トラックの荷台と荷物の間に生じる隙間を埋める緩衝材としても、トラックボードは有効です。特に壁面との接触は、荷物の破損に直結する可能性が高いため注意が必要です。トラックボードを壁面と荷物の間に設置することで、壁面からの衝撃を緩和し、荷物を保護します。また荷物が壁面に直接触れることを防ぐため、荷物の擦れや汚れの防止にも役立ちます。
3. 荷崩れ防止のためのスペーサー
トラックボードは、荷崩れ防止のためのスペーサーとしても活用できます。荷物を積み重ねる際、段ボール箱などの強度が不足している場合や、形状が不安定な荷物の場合、輸送中に荷崩れが発生するリスクが高まります。トラックボードを荷物の間や荷物と荷台の間に挟み込むことで、荷物の安定性を高め、荷崩れを未然に防ぐことが可能です。