データロガー (記録計)

データロガー (記録計) とは

データロガー (記録計)  (英: data logger) とは、センサにより計測・収集した各種データを保存する装置です。

最速で10~1,000回/秒 (10~1,000Hz) の速度で記録するため、信号観測を行う装置の中ではやや遅いものを対象としています。コンピューターとは独立して動作し、記録できるというのが利点です。

単一チャネルのロガーから、数百の入力を扱うことができるロガーまで、用途によって様々です。データロガーには、紙に記録するタイプと、デジタルやアナログでメモリーに記憶するタイプがあります。

データロガーの使用用途

データロガーは、温度、湿度をはじめ、振動、音、速度、加速度、電気量など、ほとんどの物理現象のデータ記録が可能です。複数のデータを同時に記録できるため、データ間の相関関係を調査する目的での利用されます。例えば、室内の気温、湿度、風速のデータなどです。

1. 室内の温度分布

データロガーは、数百の多チャンネルデータを記録できるので、エアコンによる室内の温度分布や風速分布、温度・湿度の降下速度などの評価が可能です。

2. クラッチの耐久性

自動車のクラッチにかかる圧力・応力・温度を記録して、耐久性の評価試験を行います。

3. 精密機器の物流試験

精密機器の輸送中の振動による破損や機能不良を評価するため、データロガーを使用して、実輸送試験や振動台上試験を実施します。

データロガーの原理

紙に記録するタイプのデータロガーでは、入力された信号に比例した位置にペンを移動させるペン・サーボと呼ばれる仕組みが備わっています。ペン・サーボは、記録紙の余白にチャネル番号やタグネーム、記録時間などの情報も印字が可能です。

ペーパーレスタイプのデータロガーでは、温度などのデータを内部のメモリに保存します。そして、おもに外部コンピューターにダウンロードして解析を行います。新しいモデルでは、保存したデータを本体でも解析が可能です。

記録の形式はそのモデルに依存しますが、専用のアプリケーションで視覚化、解析がスムーズに行えます。データロガーは、基本的にサンプルレートが低いため、1日単位だけではなく、1週間、1か月など長時間の記録も可能です。

データロガーの特徴

1. 設定・操作が容易

小型・軽量な設計で、設定や操作が容易になり、手軽に計測ができます。バッテリユニットや無線LANを活用して、現場での測定が簡単です。

2. 異種類のデータ同期

電圧、温度、ひずみ、加速度、パルスなど混在する種類のデータを完全に同期して保存・解析ができます。

3. データ解析が簡単

パソコンソフトが用意されており、簡単に解析が可能です。

データロガーのその他情報

1. ペーパー式アナログデータロガー

現在、データロガーの殆どがデジタル化された中で、ペーパー式のアナログデータロガーは稀少な製品となっています。長年愛用された記録幅100mmの機種があります。2~6チャンネル入力の伝統的な打点式機種と1~3入力のペン書式機種です。

入力の種類や目盛は固定仕様ですが、設定項目が少なく誰でも簡単に使えます。熱電対や測温抵抗体などの入力に対し、温度の目盛は直線的で読み取りし易いアナログ方式です。熱電対と測温抵抗体などの異なる種類の入力組合せも可能です。

取付方法はパネルを埋め込むタイプで、総重量は約1.6Kgのため持ち運びも便利です。

2. データロガーのペーパーレス化

最近の記録計は、ペーパーレス化が進み、ほとんどがペーパーレス記録計になっています。本体に操作パネルがないペーパーレスのデーターロガーは、パソコンから設定/操作/記録の検索/加工/表示/記録保存を行うため、操作するPCソフトの重要性が高まっています。

また、測定結果を画面に表示できるデーターロガーは、本体だけで記録されたデータの表示や検索が、容易に操作できる機能があります。現在では、カラー画像ディスプレイの複数チャンネル品や、測定結果表示をパソコンで実施するもの等、多彩な製品が開発されています。

参考文献
https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Reference-Recorder-01/
https://www.chino.co.jp/products/recorders/el3000/
https://ednjapan.com/edn/articles/1812/04/news003_3.html

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