ソフトカプセルとは
ソフトカプセルとは、薬やサプリメントなどに利用される、やわらかい被膜を持つカプセルです。そのままのみ込むのに加え、使い切り容器の代わりに潰して使ったり、上部をねじ切ったりして使用する場合もあります。
同じカプセルである「ハードカプセル」がキャップとボディの2ピースからできており、粉末から液体まで充填できるのに対し、「ソフトカプセル」は1ピースで液体または半固体の内容物が入っているのが特徴です。ソフトカプセルは、粉末のみをカプセルに充填することはできません。
ソフトカプセルの大きなメリットの1つが、成分の劣化を防げる点です。空気や光、酸素などが内容物に触れないため、品質を安定して販売できます。
さらに、見た目に高級感が出ることも、ソフトカプセルを使うメリットの1つです。様々な形状への加工ができ、透明感のある被膜を使うことで美しい見た目の製品に仕上げることもできます。
ソフトカプセルの被膜に使われる原料には、動物性と植物性の2種類があります。動物性原料にはコラーゲンが使われることが多く、生分解性が高いです。一方、植物性原料には加工デンプンや海藻などが採用され、ニオイが少ないのが特長です。
ソフトカプセルの使用用途
ソフトカプセルは主に薬剤に使用されます。以下はその用途の一例です。
1. 医薬品
医薬品の分野では内容物の劣化防止や飲みやすさの向上を目的として、ソフトカプセルが幅広く採用されます。
錠剤などと比較すると、ソフトカプセルは製造過程で熱が発生しにくいので、熱に弱い成分を配合したいときに重宝します。さらに、被膜によって味や刺激の強い物質を包み込み、服用時の負担を軽減することも可能です。他の剤形よりも被膜のつなぎ目を感じにいよう加工することもできるため、飲み込みやすいです。
2. 健康食品・サプリメント
健康食品やサプリメントにおいて、酸化しやすい脂溶性ビタミンやオメガ3脂肪酸といった油性成分の封入にソフトカプセルが重宝されます。また、ソフトカプセルの被膜に着色を施すことで成分を保護する場合もあります。
さらに、ソフトカプセルは粉末や顆粒よりも手軽に摂取できるため、忙しいなかでも手軽に栄養を補給したい利用者から支持を集めています。
3. その他の分野
ソフトカプセルは獣医療の分野で、動物向け医薬品に使われることがあります。動物は味やニオイに敏感なため、薬剤を被膜で包むことで拒絶反応を抑制することが可能です。