試験片とは
試験片とは、材料の強度や特性を評価するために、特定の形状に加工されたサンプルです。
材料試験を行う際に、実際に使用される材料から切り出したり、市販の材料から作製したりします。試験片はテストピース、テストパネル、試験体、試験板、ワーク、供試体、被着体、試供体、被験体、サンプル、基材など、様々な名称で呼ばれています。試験片を用いることで、材料の機械的性質や強度を正確に測定し、その特性を評価することができます。
試験片には、引張試験片、圧縮試験片、曲げ試験片、疲労試験片など、様々な種類があります。それぞれの試験片は、試験の種類や目的に合わせて形状や寸法が規定されています。試験片によっては、正確な試験結果を得るためにJIS規格やASTM規格などの規格で厳格な寸法公差、加工条件、梱包方法などが詳細に規定されているものもあります。
試験片の使用用途
試験片は、材料の特性を評価するために、様々な業界や分野で使用されています。例えば、自動車、航空宇宙、建築、医療などの分野では、製品の安全性や信頼性を確保するために、材料の強度や耐久性を評価する試験が欠かせません。これらの試験には、適切な形状や寸法に加工された試験片が用いられます。
1. 試験の種類
試験片を用いた試験の種類には、多くの種類があります。その中で、代表的な試験を紹介します。
- 引張試験:材料に引張荷重を加え、材料の引張強さ、降伏強さ、伸びなどを測定
- 圧縮試験:材料に圧縮荷重を加え、材料の圧縮強さ、耐圧縮性などを測定
- 曲げ試験:材料に曲げ荷重を加え、材料の曲げ強さ、曲げ弾性率などを測定
- 疲労試験:材料に繰り返し荷重を加え、材料の疲労強度、疲労寿命などを測定
2. 自動車分野
自動車分野では、安全性、耐久性、軽量化などを目的とした材料試験に試験片が使用されます。以下のような部品の材料評価に使用されます。
- 車体フレーム
- エンジン部品 (ピストン、シリンダーヘッドなど)
- サスペンション部品
- ブレーキ部品
- 内装材
3. 航空宇宙分野
航空宇宙分野では、軽量化、高強度、耐熱性などが求められる材料の評価に試験片が使用されます。
- 航空機用アルミニウム合金
- チタン合金
- ジェットエンジン部品
- ロケット部品
4. 医療分野
医療分野では、生体適合性、耐久性、滅菌性などが求められる材料の評価に試験片が使用されます。
- チタン合金
- ステンレス鋼
- セラミックス
- 高分子材料