消防施設工事とは
消防施設工事とは、消防法や建築基準法に準拠して実施する消防施設の設置や更新に伴う工事です。
標識の貼り付けや天井や壁の穴あけ、天井裏の配線敷設など消防用設備の設置に付随した工事も含まれます。工事内容は多岐にわたり、具体例は火災報知器設備工事やスプリンクラー設備工事です。防火防炎シャッターや動力消防ポンプの設置など建物の建設のために行う大がかりな工事もあります。
消防法や管轄の消防署、市町村の条例に沿って建物の建設前から入念に準備して計画します。基本的に建物の建設時に行い、定期点検により交換や修理が必要な際には対応が必要です。更新工事と表現する場合や消防施設工事にまとめられるケースもあります。
消防施設工事の使用用途
消防施設工事を実施する目的は次の通りです。
1. 命を守る
火災発生時に消防設備が施設内に備わっていないと人命が危険にさらされます。大規模施設や高層ビルでは火災の拡大を防ぎ、迅速に避難できることが大切です。最小限に被害を抑えて命を守るためには、消火器や火災報知器、スプリンクラーなどの装置が適切に作動する必要があります。
2. 法的な義務
法律により消防設備の設置が義務づけられています。消防法では建物の用途や規模に合わせた設備が必要だと定められており、違反すると罰則が課せられる場合もあります。商業施設や公共施設、飲食店には厳格な基準があり、消防施設工事により法律を遵守した施設運営が可能です。
3. 保険面のメリット
消防施設が整っていないと火災保険の契約は結ばれません。消防施設が整っていれば保険の割引を受けられるケースもあり、保険面のメリットがあります。施設の価値を高めるためにも設備を整えることが重要です。
4. 火災の拡大を防ぐ
適切な消防施設は火災発生時に火の拡大を阻止可能です。スプリンクラーの作動により火の手を食い止めて消火します。火災報知器が警報を発し、建物内にいる人々が早期避難を始められ、最小限の被害に抑えます。